固定電話を残すか解約するかの判断軸
スマホ普及率が世帯の 90% を超える中、固定電話の保有世帯は年々減少しています。総務省の通信利用動向調査によると、固定電話の世帯保有率は 2025 年時点で約 50% で、20 年前の 90% 超から半減しました。「固定電話を残すべきか」は世帯ごとに事情が異なるため、一律の正解はありません。判断軸を整理して、自分の状況に合った選択を行いましょう。固定電話・通信機器の選定には シンプルな電話機 の比較も役立ちます。
固定電話を残すメリット
1. 信頼性の高い回線
固定電話は携帯の電波に依存せず、停電時もアナログ回線なら通話可能 (NTT 加入電話) です。PSTN 廃止後の ひかり電話でも、UPS 装置を併用することで停電耐性を確保できます。災害時の連絡手段として、家族との安否確認に活用できる強みがあります。
2. 信頼性のシグナル
事業者・取引先・公的機関との取引で、固定電話番号があると「実態のある事業者」として認識されやすくなります。ビジネス用電話番号の選び方でも触れたとおり、特に法人取引・不動産・金融機関との関係では固定電話の有無が影響します。
3. 高齢者世帯での安心感
高齢の家族がいる世帯では、固定電話の存在が安心感に繋がります。スマホの操作に不慣れな世代でも固定電話は確実に使え、留守番電話・ナンバーディスプレイ・防犯機能付き電話機との組み合わせで詐欺対策も可能です。
4. FAX が必要な業種
士業・医療・建築業界では今もなお FAX が現役です。FAX を業務で使う場合、固定電話回線がないと運用が困難です。
固定電話を解約するメリット
1. 月額固定費の削減
NTT 加入電話の月額基本料は 1,870 円、ひかり電話は 550 円〜です。年間で 6,600〜22,440 円のコスト削減が可能です。スマホとの併用なら、固定電話分が純粋な節約になります。
迷惑電話の削減">2. 迷惑電話の削減
固定電話には営業電話・詐欺電話が集中する傾向があります。解約すれば、これらの電話を受けるリスク自体がなくなります。固定電話解約のメリット・デメリットも参考にしてください。
3. 設置スペースの解消
電話機・FAX・モデムの設置スペース、配線が不要になり、生活空間が広く使えます。
世帯タイプ別の推奨
単身世帯 (20〜40 代)
原則としてスマホ一本で十分です。固定電話の信頼性メリットも、若年層では実害は限定的です。例外は SOHO・自営業で固定電話を業務に使う場合のみ。
子育て世帯
家族用のシェア電話として固定電話を残すと、子供が緊急時に使える、塾・学校からの連絡用に使える、というメリットがあります。月額 550 円のひかり電話なら経済的負担も軽微です。
高齢者と同居・別居
高齢の家族がいる場合は固定電話を残す方が安全です。ナンバーディスプレイ・留守番電話・通話録音機能付き電話機を導入することで、詐欺対策にもなります。高齢者向け防犯電話機を併用するとさらに効果的です。
個人事業主・SOHO
名刺の信頼性を考えると固定電話があると有利です。ひかり電話やクラウド PBX で固定電話番号を取得すれば、月額 550〜3,000 円程度で運用できます。
地域別の考慮事項
都市部
携帯電波が安定しており、固定電話の必要性は相対的に低いです。災害時のリスクは行政の防災インフラ (公衆電話・避難所の電話) で代替可能です。
郊外・地方
携帯電波が弱いエリアでは固定電話の重要性が増します。山間部・離島では携帯が圏外になる場合もあるため、固定電話が事実上の必須インフラとなります。
マンション
建物内に光ファイバーが敷設されていれば、ひかり電話を低コストで運用できます。マンションタイプのひかり電話プランは月額 330 円台から提供されており、固定電話保有のハードルが下がっています。
両方を維持する場合の費用最適化
固定電話と携帯を両方持つ場合、以下のコスト最適化が可能です。
- ひかり電話への乗り換え: NTT 加入電話 1,870 円 → ひかり電話 550 円〜で月額 1,000 円以上削減
- かけ放題プランの見直し: 固定電話側で長距離通話を吸収し、携帯側は 5 分かけ放題程度に下げる
- 家族割引の活用: 固定電話 + 携帯のセット割引で、月額数百円の削減
- FAX 廃止: 業務に必須でないなら FAX 機能を解約し、メール・PDF で代替
家族構成や利用パターンによりベストな組み合わせは異なります。年に 1 回程度、利用実績を確認してプランを最適化する習慣を持つと、無駄なコストを最小化できます。通話料節約のコツと組み合わせると、さらに効果的です。