固定電話とは、特定の場所 (自宅やオフィス) に設置された電話回線に接続する電話です。市外局番 + 市内局番 + 加入者番号の構成で、番号から設置地域を特定できるのが最大の特徴です。日本の固定電話の歴史は 1890 年の東京・横浜間の電話交換業務開始に遡り、130 年以上にわたって通信インフラの基盤を担ってきました。
固定電話の契約数は携帯電話の普及に伴い減少が続いています。ピーク時 (1997 年) の約 6,300 万回線から、2023 年度末には約 1,400 万回線まで減少しました。特に若年世帯での固定電話離れが顕著で、30 代以下の世帯では固定電話の保有率が 10% を下回っています。一方、60 代以上の世帯では依然として 80% 以上が固定電話を保有しており、世代間の格差が大きい状況です。
契約数の減少にもかかわらず、固定電話ならではの役割は依然として重要です。ビジネスでは、03 や 06 で始まる固定電話番号があると企業の信用度が高まります。銀行口座の開設や法人登記でも固定電話番号が求められるケースがあります。緊急通報 (110/119) 時には、固定電話からの通報は電話番号に紐づく住所情報が自動通知されるため、携帯電話の GPS より正確に位置を特定できます。また、ひかり電話によるインターネット回線との統合で、月額 550 円という低コストで維持できるようになっています。
NTT は 2024 年 1 月にPSTN (公衆交換電話網) から IP 網への移行を完了しました。利用者にとっての使い方や電話番号は基本的に変わりませんが、裏側の技術はアナログの回線交換方式からデジタルのパケット交換方式に転換されています。この移行により、ISDN のデータ通信機能 (INS ネット) は終了しましたが、音声通話は引き続き利用可能です。電話番号の構造で番号体系を、市外局番の調べ方で地域の特定方法を確認できます。