モデム (Modulator-Demodulator) は、デジタルデータをアナログ信号に変換 (変調) し、アナログ信号をデジタルデータに戻す (復調) 装置です。コンピュータのデジタルデータを電話回線 (アナログ) で伝送するために開発され、インターネットの黎明期に不可欠な機器でした。
1990 年代のダイヤルアップ接続では、モデムが電話回線を通じてインターネットに接続しました。接続時に「ピーヒョロロロ」という独特の音が鳴るのは、モデム同士がデータ通信の方式を交渉 (ハンドシェイク) している音です。最大通信速度は 56kbps で、現在の光回線 (1Gbps) と比べると約 18,000 分の 1 の速度でした。
ダイヤルアップ接続中は電話回線を占有するため、インターネット使用中は電話が使えませんでした。家族が電話をかけようとすると「インターネット切って!」と言われる光景は、1990 年代の家庭の日常でした。ADSL の登場により、電話とインターネットの同時利用が可能になりました。
現在でもモデムという用語は使われていますが、指す機器は変化しています。光回線の ONU (光回線終端装置) や、ケーブルテレビのケーブルモデムなど、回線の種類に応じた変換装置を広義にモデムと呼ぶことがあります。電話機の進化の歴史でインターネット接続技術の変遷を振り返ることができます。