ひかり電話とは、NTT 東日本・西日本が提供する光回線 (フレッツ光) を利用した IP 電話サービスです。VoIP 技術を基盤としながら、従来のアナログ電話と同じ感覚で使えるのが特徴です。2004 年のサービス開始以来、固定電話の主流として普及し、NTT の固定電話契約の過半数がひかり電話に移行しています。
050 番号の IP 電話との最大の違いは 3 点あります。第一に、既存の固定電話番号 (市外局番付き) をそのまま引き継げること。番号変更の手間がなく、名刺や Web サイトの修正も不要です。第二に、緊急通報 (110/119) に対応していること。050 番号の IP 電話は緊急通報ができないため、これは大きな差別化ポイントです。第三に、通話品質がアナログ電話と遜色ないこと。NTT の閉域 IP 網内で音声を伝送するため、インターネットの混雑の影響を受けにくい設計になっています。
料金面では、月額基本料金 550 円 (税込) と、全国一律 8.8 円/3 分の通話料が大きな魅力です。従来のアナログ回線の基本料金 (住宅用 1,760 円) と比較して約 3 分の 1 で、市外通話料金も大幅に安くなります。ただし、ひかり電話の利用にはフレッツ光の契約が前提となるため、インターネット利用料 (月額 4,000〜6,000 円程度) と合わせた総コストで比較する必要があります。インターネットを既に利用している世帯であれば、追加コストは基本料金の 550 円のみです。
注意点として、停電時は通話できなくなります。アナログ回線は電話局から供給される微弱な電力で動作するため停電時も使えましたが、ひかり電話は光回線終端装置 (ONU) とルーターに電力が必要です。UPS (無停電電源装置) を設置するか、携帯電話をバックアップ手段として確保しておくことが重要です。ひかり電話移行ガイドで移行手順を、VoIP の基礎と利点で技術的な背景を確認できます。