VoIP (Voice over Internet Protocol) とは、インターネット回線を利用して音声通話を行う技術の総称です。従来の PSTN (公衆交換電話網) が銅線ケーブルでアナログ音声信号を伝送するのに対し、VoIP は音声をデジタルデータに変換し、IP パケットとしてインターネット上で送受信します。現代の電話通信の大部分は、何らかの形で VoIP 技術を利用しています。
IP 電話との違いを正確に理解しておくことが重要です。VoIP は技術の総称であり、IP 電話は VoIP 技術を使った電話サービスの一形態です。050 番号の IP 電話、ひかり電話、LINE 通話、Skype、Zoom、FaceTime、WhatsApp はすべて VoIP 技術を利用していますが、電話番号を持たない LINE 通話や Zoom は IP 電話とは呼びません。VoIP は技術、IP 電話はサービスという関係です。
VoIP の最大のメリットは通話コストの低さです。インターネット接続があれば追加費用なしで通話でき、国際通話も格安です。企業では クラウド PBX と組み合わせることで、拠点間の内線通話を無料化し、電話インフラのコストを大幅に削減できます。SIP プロトコルで通話を制御し、コーデックで音声を圧縮して伝送する仕組みです。
デメリットとしては、インターネット接続の品質に通話品質が左右される点があります。帯域幅が不足するとパケットロスが発生し、音声が途切れます。レイテンシが大きいと会話のテンポが崩れます。QoS 設定で音声パケットを優先処理する設計が不可欠です。また、停電時はインターネット機器が動作しないため通話できなくなります。緊急通報への対応も、050 番号の IP 電話では非対応であるなど制限があります。VoIP の基礎と活用法で技術的な詳細を確認できます。