IP 電話とは、インターネットプロトコル (IP) を利用して音声通話を行う電話サービスです。従来のアナログ回線ではなく、インターネット回線を通じて音声データをパケットとして送受信します。VoIP 技術を基盤としており、050 で始まる番号が割り当てられます。VoIP が技術の総称であるのに対し、IP 電話は電話番号を持つサービスとしての呼称です。
ひかり電話との違いは 3 点に集約されます。第一に、番号体系。050 番号の IP 電話は市外局番を持たないため発信元の地域が特定できませんが、ひかり電話は既存の固定電話番号 (03 や 06) をそのまま使えます。第二に、緊急通報。050 番号からは 110/119 に発信できませんが、ひかり電話は対応しています。第三に、コスト。050 番号の方が月額基本料が安い傾向にあり、無料のサービスも存在します。ひかり電話は月額 550 円ですが、光回線の契約が前提です。
IP 電話の通話品質は、インターネット接続の品質に依存します。帯域幅が十分でレイテンシが低い環境であれば、固定電話と遜色ない品質で通話できます。しかし、Wi-Fi の電波が弱い場所やモバイルデータ通信が混雑する時間帯では、音声の途切れや遅延が発生することがあります。コーデックの選択も品質に影響し、G.711 (高音質・高帯域) と G.729 (低音質・低帯域) のどちらを使うかで聞こえ方が変わります。
実務上の注意点として、050 番号は迷惑電話に悪用されるケースが少なくありません。取得コストが低く (無料〜月額数百円)、本人確認が緩いサービスもあるため、営業電話やロボコールの発信元として使われることがあります。050 番号からの不審な着信は、電話番号検索サービスで発信元を確認してから対応するのが安全です。VoIP の基礎と活用法で技術的な背景を、IP 電話の迷惑電話対策で具体的な防衛策を確認できます。