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通報・法的対処

電話詐欺の警察相談ガイド

約 7 分で読めます

警察への相談をためらわないで

電話詐欺の被害に遭った場合、または不審な電話を受けた場合、警察への相談は最も重要な第一歩です。しかし、「こんなことで警察に相談してよいのか」「被害額が少ないから相手にされないのでは」とためらう人が少なくありません。警察庁の調査によると、特殊詐欺の被害者のうち、被害直後に警察に相談した人は約 60% にとどまり、残りの約 40% は相談が遅れたか、相談しなかったと報告されています。

相談の遅れは被害の拡大に直結します。振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結は時間との勝負であり、1 時間の遅れが回収可能額を大幅に減少させます。警察庁の統計では、被害から 30 分以内に通報した場合の口座凍結成功率は約 70% ですが、24 時間以上経過すると 10% 以下に低下します。また、被害情報の蓄積は犯罪グループの特定と摘発に不可欠です。あなたの相談が、他の被害者を救う手がかりになる可能性があります。振り込め詐欺の予防策を知っておくことも重要ですが、被害に遭ってしまった場合の対処法も同様に重要です。振り込め詐欺は年間被害額が約 300 億円に達する深刻な社会問題です。

#9110 - 警察相談専用電話の使い方

#9110 とは

#9110 は、犯罪被害の未然防止や生活の安全に関する相談を受け付ける警察の専用電話です。110 番緊急通報用であるのに対し、#9110 は緊急性のない相談に対応します。電話をかけると、発信地を管轄する都道府県警察の相談窓口に自動的に接続されます。

受付時間は平日 8:30〜17:15 が基本ですが、都道府県によって異なります。土日祝日は当直対応となる場合があります。通話料は発信者負担です。

#9110 に相談すべきケース

  • 不審な電話を受けたが、金銭的被害はまだ発生していない
  • 詐欺の電話かどうか判断がつかない
  • 迷惑電話が繰り返しかかってくる
  • 電話で脅迫めいた言葉を受けた
  • 被害届を出すべきかどうか相談したい
  • 過去の被害について今からでも届け出たい

相談時には、電話を受けた日時、発信元番号、電話の内容、被害の有無を伝えてください。通話録音があれば、より具体的な対応が可能になります。

相談時の準備

効果的な相談のために、以下の情報を事前に整理しておきましょう。

  • 時系列の経緯 - いつ、どのような電話を受け、どう対応したか
  • 発信元番号 - 着信履歴のスクリーンショット
  • 通話内容 - 相手の名乗り、要求内容、脅迫的な発言
  • 被害状況 - 金銭的被害の有無と金額、振込先情報
  • 証拠資料 - 録音データ、SMS、メール、振込明細

被害届の書き方マニュアルを事前に確認しておくと、相談から被害届の提出までスムーズに進められます。電話嫌がらせの証拠の残し方も参考に、証拠を体系的に整理してから相談に臨みましょう。

被害届の提出

被害届と告訴状の違い

被害届は「犯罪被害の事実を警察に届け出る」書類であり、告訴状は「犯人の処罰を求める意思表示」を含む書類です。電話詐欺の場合、まず被害届を提出し、捜査の進展に応じて告訴を検討するのが一般的な流れです。

  • 被害届 - 被害の事実を届け出る。警察に捜査義務は生じないが、捜査の端緒となる
  • 告訴状 - 犯人の処罰を求める。警察に捜査義務が生じる (刑事訴訟法第 242 条)。弁護士に作成を依頼するのが一般的

被害届に記載する内容

被害届には以下の事項を記載します。警察署に用紙が用意されているため、窓口で記入することもできます。

  • 被害者の氏名、住所、連絡先
  • 被害の日時と場所
  • 被害の内容 (詐欺の手口、相手の言動)
  • 被害額 (振込金額、手渡し金額)
  • 犯人に関する情報 (名乗った名前、電話番号、口座情報)
  • 証拠の有無 (録音データ、振込明細など)

被害届は最寄りの警察署で受理されます。受理されたら「受理番号」を必ず控えてください。この番号は、その後の問い合わせや保険金請求の際に必要になります。

被害届が受理されない場合

まれに、警察署の窓口で被害届の受理を渋られるケースがあります。「証拠が不十分」「被害額が少ない」といった理由で受理を断られた場合は、以下の対応を取ってください。

  • 「被害届を受理してください」と明確に意思表示する
  • 受理されない理由を書面で求める
  • 都道府県警察本部の相談窓口に連絡する
  • 弁護士に同行を依頼する

被害届の不受理は社会問題として認識されており、警察庁は 2019 年に「被害届は原則として受理すること」との通達を各都道府県警察に発出しています。電話詐欺の通報方法も参考に、自分の被害状況を客観的に説明できるよう準備しておきましょう。

サイバー犯罪相談窓口

サイバー犯罪相談窓口の役割

電話詐欺がインターネットや電子メールと組み合わされている場合 (フィッシングサイトへの誘導、偽の投資プラットフォームなど) は、各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口も活用してください。サイバー犯罪相談窓口は、デジタル技術を悪用した犯罪に特化した専門部署であり、通常の生活安全課よりも技術的な調査能力に優れています。

相談できる内容の例は以下のとおりです。

警察庁のオンライン受付

警察庁は「サイバー犯罪に関する相談」をオンラインでも受け付けています。警察庁の公式サイトからフォームに入力して送信する方式で、24 時間受付可能です。緊急性が低い場合や、電話での相談が難しい場合に活用してください。

相談後の流れ

捜査の進展

被害届を提出した後、警察は以下のような捜査を行います。

  • 犯人が使用した電話番号の契約者情報の照会
  • 振込先口座の名義人情報の照会
  • 防犯カメラ映像の確認 (ATM での引き出し、受け子の特定)
  • 通話記録の分析
  • 他の被害との関連性の調査

捜査の進展状況は、被害届の受理番号を伝えて問い合わせることができます。ただし、捜査上の秘密に関わる事項は回答されない場合があります。特殊詐欺は組織犯罪として警察が重点的に取り組んでおり、2023 年の検挙件数は約 7,000 件に達しています。

被害金の回収

警察の捜査と並行して、振り込め詐欺救済法 (犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律) に基づく口座凍結と被害回復分配金の手続きを進めてください。金融機関への口座凍結依頼は、警察への相談とは別に、被害者自身が直接行う必要があります。口座凍結後、預金保険機構が被害回復分配金の手続きを公告し、被害者は申請により分配金を受け取ることができます。振り込め詐欺救済法の解説書で手続きの詳細を確認できます。

知らない番号からの電話への対処法を日頃から実践し、被害の未然防止に努めることも重要です。ビッシング (電話を使ったフィッシング) の手口は年々巧妙化しており、迷惑電話の通報先と届出手順を事前に把握しておくことが自衛の第一歩です。

まとめ

電話詐欺の被害に遭った場合、警察への相談は被害回復と犯人検挙の両面で不可欠です。#9110 で相談し、被害届を提出し、必要に応じてサイバー犯罪相談窓口も活用してください。相談の際は、時系列の経緯、発信元番号、通話内容、証拠資料を事前に整理しておくことで、対応が迅速かつ的確になります。「こんなことで相談してよいのか」とためらう必要はありません。あなたの相談が、同じ手口による次の被害を防ぐ力になります。

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よくある質問

#9110 と 110 番はどう使い分ければよいですか?

110 番は「今まさに被害が発生している」「犯人が近くにいる」など緊急性の高い場合に使用します。#9110 は「不審な電話を受けた」「被害届を出したい」など、緊急性はないが相談したい場合に利用します。迷った場合は #9110 に電話すれば、状況に応じて適切な対応を案内してもらえます。

被害届はいつまでに出せばよいですか?

被害届に提出期限はありませんが、できるだけ早く提出してください。時間が経つほど証拠の散逸や記憶の曖昧化が進み、捜査が困難になります。特に口座凍結が必要な場合は、被害に気づいた直後の対応が回収額を左右します。

被害届を出したら必ず捜査してもらえますか?

被害届は捜査の端緒となりますが、警察に捜査義務が生じるわけではありません。捜査義務を生じさせるには告訴状の提出が必要です。ただし、特殊詐欺は警察が重点的に取り組んでいる犯罪類型であり、被害届に基づく捜査が行われるケースは多いです。

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