電話詐欺とは、電話を手段として被害者から金銭や個人情報を騙し取る犯罪行為の総称です。警察庁は「特殊詐欺」という公式名称を用いており、振り込め詐欺 (オレオレ詐欺)、還付金詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、投資詐欺など 10 類型に分類しています。2023 年の認知件数は約 19,000 件、被害額は約 441 億円で、1 件あたりの平均被害額は約 230 万円に達します。
手口は年々巧妙化しています。従来の「息子を装って現金を要求する」パターンに加え、市役所や税務署の職員を名乗る還付金詐欺、警察官を装って「あなたの口座が犯罪に使われている」と脅す手口、さらには音声クローン技術で家族の声を模倣するケースも報告されています。共通するのは、「緊急性」と「権威」を演出して冷静な判断を奪う心理テクニックです。「今日中に振り込まないと逮捕される」「誰にも言わないでください」といったフレーズが出たら、詐欺を強く疑うべきです。
被害者の年齢層は 65 歳以上が全体の約 7 割を占めますが、若年層も無縁ではありません。SNS で副業を勧誘し、電話で投資資金を振り込ませる手口や、スミッシング (SMS 詐欺) で偽サイトに誘導してからオペレーターが電話で個人情報を聞き出す複合型の手口が増加しています。発信者番号偽装により、実在する銀行や官公庁の番号を表示させて信用させるケースもあるため、表示番号だけで安全と判断するのは危険です。
防衛策の基本は 3 つです。第一に、電話でお金の話が出たら一度切って、公式の連絡先に自分からかけ直すこと。第二に、留守番電話を常時オンにして知らない番号には直接出ないこと。犯人は録音を嫌うため、留守電が作動するだけで抑止効果があります。第三に、家族間で合言葉を決めておくこと。振り込め詐欺の防止策で手口別の詳しい対策を、電話詐欺の通報ガイドで被害に遭った場合の対応手順を確認できます。