MNP (Mobile Number Portability) とは、携帯電話の電話番号を変更せずに通信事業者 (キャリア) を乗り換えられる制度です。日本では 2006 年 10 月に導入され、キャリア間の競争促進に大きく貢献しました。導入前は番号変更の手間がキャリア乗り換えの最大の障壁でしたが、MNP により利用者は番号を維持したまま料金やサービスを比較して自由に選択できるようになりました。
番号ポータビリティと MNP は同じ概念ですが、MNP は携帯電話に限定した用語です。固定電話の番号ポータビリティは「LNP (Local Number Portability)」と呼ばれ、ひかり電話への移行時などに利用されます。MNP の導入以降、日本の携帯電話市場では年間約 500〜700 万件の MNP 転出入が発生しており、MVNO (格安 SIM) の急成長を支える制度的基盤にもなっています。
MNP の手続きは近年大幅に簡素化されました。従来は現在のキャリアに電話して MNP 予約番号 (有効期限 15 日間) を取得し、乗り換え先の店舗で新規契約する流れでしたが、2023 年以降は MNP 手数料が原則無料化され、オンラインでの即日手続き (MNP ワンストップ方式) も可能になりました。ワンストップ方式では、乗り換え先のキャリアの Web サイトで手続きするだけで、転出元への連絡が不要です。eSIM 対応端末であれば、申し込みから開通まで最短数十分で完了します。
注意点として、MNP で番号を引き継いでも、キャリアメール (@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jp) は原則として引き継げません。2021 年から各キャリアが「メール持ち運びサービス」(月額 330 円) を提供していますが、長期的にはキャリアメールから Gmail 等への移行が推奨されます。また、SIM カードの切り替えタイミングによっては一時的に通話・通信ができない期間が発生する場合があります。MNP の手続きガイドで最新の手順を確認できます。