SIM カード (Subscriber Identity Module) とは、携帯電話やスマートフォンに挿入する小型の IC カードです。加入者の識別情報 (IMSI: 国際移動体加入者識別番号) や電話番号、認証鍵が記録されており、通信キャリアのネットワークに接続するために必要です。SIM カードがなければ、端末は通話もデータ通信もできません (Wi-Fi 接続を除く)。
SIM カードのサイズは 3 世代にわたって小型化してきました。標準 SIM (25mm x 15mm、2G/3G 時代)、micro SIM (15mm x 12mm、iPhone 4 で採用)、nano SIM (12.3mm x 8.8mm、iPhone 5 以降で採用) の 3 種類があり、物理カードを差して使う端末では nano SIM が標準的なサイズです。一方、カードを差さずに端末内のチップへ回線情報を書き込む eSIM もあり、機種によっては物理 SIM スロットを持ちません。例えば米国向けに販売される iPhone 16 と iPhone 16 Plus は eSIM 専用で、物理 SIM カードには対応しないと Apple の仕様表に明記されています (2026 年 8 月時点)。同じ機種でも販売される国によって物理 SIM の扱いが異なるため、海外で端末を購入するときは仕様表の SIM の欄を必ず確認してください。
SIM カードを別の端末に差し替えることで、同じ電話番号を異なる端末で使用できます。海外旅行時に現地の SIM カードに差し替えてローミングの高額料金を回避する使い方も一般的です。日本では、新規に販売される端末に SIM ロック (他社の SIM カードを使えなくする制限) をかけない扱いが原則となっています。ただし販売時期や購入経路によっては解除の手続きが必要な端末も残っているため、中古端末を使うなら対応周波数と併せて、契約先の案内で解除の可否と条件を確認してください。
SIM カードのセキュリティ上の注意点として、SIM スワップ攻撃があります。攻撃者が通信事業者を騙して被害者の番号を別の SIM に移し替える手口で、二段階認証の SMS コードを傍受されるリスクがあります。SIM カードの紛失・盗難時は直ちにキャリアに連絡して回線を停止することが重要です。なお、SIM を伴う携帯電話の契約時や、契約者の名義を変更する譲渡の際には、携帯電話不正利用防止法に基づく本人特定事項の確認が行われます (同法第 3 条・第 5 条)。他人名義の SIM を安易に譲り受けたり貸し借りしたりしないことが、SIM を悪用した犯罪に巻き込まれないための基本です。番号ポータビリティガイドで SIM 関連の手続きを確認できます。