eSIM (Embedded SIM) とは、スマートフォンやタブレットに内蔵された書き換え可能な SIM です。従来の物理 SIM カードとは異なり、カードの差し替えなしにオンラインで通信事業者の情報 (プロファイル) を書き込めます。仕組みは GSMA (GSM Association) が策定した国際規格に基づいています。対応するかどうかは機種ごとに異なり、物理 SIM と eSIM の両方を使える端末もあれば、eSIM 専用の端末もあります。例えば Apple は米国向けに販売する iPhone 16 と iPhone 16 Plus を eSIM 専用とし、物理 SIM カードには対応しないと公式の仕様表に明記しています (2026 年 8 月時点)。手持ちの端末が対応しているかは、メーカーの仕様表か契約先の対応端末一覧で確認してください。
eSIM の利点は即時性と柔軟性です。店舗に行かなくてもオンラインで回線を開通でき、QR コードの読み取りや専用アプリの操作で手続きが完結します。1 台の端末に複数の eSIM プロファイルを保存できる機種なら、デュアル SIM として仕事用とプライベート用の番号を 1 台で管理したり、海外へ渡航する際に現地の eSIM プランを追加してローミングの高額料金を回避したりできます。端末の設計上も、SIM トレイという開口部を省けるという利点があります。
eSIM と物理 SIM の使い分けは、利用シーンで判断します。eSIM は開通の速さと複数回線の管理に優れる一方、端末が故障したときのプロファイル移行は物理 SIM の差し替えほど単純ではありません。物理 SIM は端末間の差し替えが容易で、渡航先の空港で現地の SIM を買ってすぐ使えるという分かりやすさがあります。落とし穴として、プロファイルを端末から削除してしまうと、同じ回線を使い直すには契約先での再発行手続きが必要になる場合があります。端末を初期化したり下取りに出したりする前に、回線の移行手順を契約先の案内で確認してください。
MNP で eSIM に乗り換える場合、契約先によっては EID (eSIM の識別番号) の登録を求められます。EID は端末の設定画面にある端末情報から確認できます (表示される場所は機種や OS のバージョンによって異なります)。MVNO (格安 SIM) やオンライン専用ブランドでも eSIM を扱う事業者があり、対応の有無や申し込みの手順は事業者ごとに違います。契約前に、自分の端末が対応機種一覧に載っているかを必ず確かめておくと安全です。番号ポータビリティガイドで乗り換え手順を確認できます。