eSIM (Embedded SIM) とは、スマートフォンやタブレットに内蔵された書き換え可能な SIM です。従来の物理 SIM カードとは異なり、カードの差し替えなしにオンラインで通信事業者の情報 (プロファイル) を書き込めます。GSMA (GSM Association) が策定した国際規格に基づいており、iPhone XS (2018 年) 以降、Google Pixel 3 以降、Samsung Galaxy S20 以降など、主要メーカーの端末が対応しています。
eSIM の最大のメリットは即時性と柔軟性です。店舗に行かずにオンラインで即座に回線を開通でき、QR コードを読み取るだけで数分で利用開始できます。1 台の端末に複数の eSIM プロファイルを保存でき、デュアル SIM として仕事用とプライベート用の番号を 1 台で管理したり、海外旅行時に現地の eSIM プランを追加してローミングの高額料金を回避したりできます。物理 SIM スロットが不要になることで、端末の防水性能向上や内部スペースの有効活用にも貢献しています。
eSIM と物理 SIM の使い分けは、利用シーンによって判断します。eSIM は即時開通と複数回線の管理に優れますが、端末が故障した場合にプロファイルの移行が物理 SIM より手間がかかるデメリットがあります。物理 SIM は端末間の差し替えが容易で、海外の空港で現地 SIM を購入してすぐ使えるシンプルさがあります。iPhone 14 (米国モデル) 以降は物理 SIM スロットが廃止され eSIM のみの構成になっており、eSIM への移行は不可逆的なトレンドです。
MNP で eSIM に乗り換える場合、キャリアによっては EID (eSIM の識別番号) の登録が必要です。EID は端末の「設定」→「一般」→「情報」(iPhone) または「設定」→「デバイス情報」(Android) で確認できます。MVNO (格安 SIM) でも eSIM 対応が進んでおり、IIJmio、楽天モバイル、LINEMO などが eSIM プランを提供しています。番号ポータビリティガイドで乗り換え手順を確認できます。