番号ポータビリティとは、電話番号を変更せずに通信事業者やサービスを乗り換えられる制度の総称です。携帯電話の MNP (Mobile Number Portability) が最も広く知られており、日本では 2006 年 10 月に導入されました。
携帯電話の MNP には 2 つの方式があります。転出元の事業者で MNP 予約番号を取得してから転入先で契約する従来の方式 (ツーストップ方式) と、転入先での手続きだけで乗り換えられるワンストップ方式です。ワンストップ方式は 2023 年 5 月 24 日に始まりましたが、利用できるのは双方の事業者が対応している場合のウェブ手続きに限られるため、予約番号を使う方式も現行の選択肢として残っています。手数料は、ウェブでの手続きでは無料、電話や店舗での手続きでは手数料がかかる場合があります (2026 年 8 月時点の総務省の案内)。
固定電話でも番号ポータビリティは存在しますが、携帯電話ほど自由ではありません。NTT の加入電話からひかり電話へ移る場合や、同一市外局番エリア内で事業者を変える場合には、番号を引き継げることがあります。ただし引き継げるかどうかは番号の取得経緯や設備の条件によって決まり、そのままでは使えない場合もあります。引っ越しで市外局番が変わる場合や、NTT 以外の事業者で新規に取得した番号は、他社への移行時に引き継げないケースがあります。
番号ポータビリティは、事業者を変えるときの障壁を下げる制度として位置づけられています。番号を周囲に知らせ直す手間がなくなるため、料金やサービス内容を比べて乗り換えを検討しやすくなり、MVNO (格安 SIM) へ移る際にも使われます。実務で見落としやすいのは、番号は引き継げても付随するものは引き継げない点です。キャリアメールのアドレスは番号とは別扱いで、持ち運ぶには有料のサービスへ申し込む必要があり、申し込める期間にも期限があります (条件は事業者ごとに異なります)。固定電話の番号ポータビリティ (LNP) は、NTT からひかり電話への移行時や、他社の光電話サービスへの乗り換え時に利用されます。MNP の仕組みと手続きガイドで手続きの流れを確認できます。