SIM カードとは
SIM カード (Subscriber Identity Module) は、スマホに入っている小さなチップです。このカードに電話番号や契約情報が記録されていて、「このスマホは○○さんのもので、電話番号は○○です」と携帯会社のネットワークに伝える役割をしています。
SIM カードがないと、電話をかけたり、モバイルデータ通信 (4G/5G) を使ったりすることができません。Wi-Fi には接続できますが、外出先でのネット利用や電話は使えなくなります。
SIM カードは「スマホの身分証明書」と考えるとわかりやすいです。身分証明書がないと銀行でお金を引き出せないように、SIM カードがないとスマホで電話やネットが使えません。SIM カードの中には、電話番号、契約している携帯会社の情報、暗号化キー (通信を安全にするための鍵) などが記録されています。
SIM カードのサイズ
SIM カードには 3 つのサイズがあります。
- 標準 SIM: 一番大きい (25mm × 15mm)。古い携帯電話で使われていた
- micro SIM: 中くらい (15mm × 12mm)。少し前のスマホで使われていた
- nano SIM: 一番小さい (12.3mm × 8.8mm)。現在のスマホのほとんどがこのサイズ
最近のスマホは nano SIM が主流です。機種変更のときにサイズが合わない場合は、携帯ショップで交換してもらえます。SIM カードのサイズは年々小さくなっており、これはスマホの内部スペースを有効活用するためです。
eSIM とは
最近のスマホには「eSIM」(embedded SIM) に対応しているものがあります。eSIM は物理的なカードではなく、スマホに内蔵されたチップに契約情報を書き込む方式です。
- カードの差し替えが不要。オンラインで契約・開通できる
- 1 台のスマホで 2 つの番号を使える (デュアル SIM)。仕事用とプライベート用を分けられる
- 海外旅行時に現地の eSIM を追加するだけで、現地の回線が使える
- 物理 SIM のように紛失するリスクがない
iPhone は iPhone XS 以降、Android は Pixel 3a 以降の多くの機種が eSIM に対応しています。eSIM に対応しているかどうかは、スマホの設定画面やメーカーの公式サイトで確認できます。
eSIM と物理 SIM を組み合わせた「デュアル SIM」は、格安 SIM と大手キャリアを併用したい人にも便利です。たとえば、データ通信は格安 SIM で安く済ませ、電話は大手キャリアのかけ放題プランを使う、という使い分けができます。
SIM カードを抜くとどうなる?
- 電話の発着信ができなくなる
- SMS の送受信ができなくなる
- モバイルデータ通信 (4G/5G) が使えなくなる
- Wi-Fi は使える
- カメラ、音楽、ゲームなどオフラインの機能は使える
つまり、SIM カードを抜いたスマホは「Wi-Fi 専用の小型タブレット」のような状態になります。LINE 通話と普通の電話の違いを理解しておくと、SIM なしでも Wi-Fi 経由で通話できる方法がわかります。古いスマホを Wi-Fi 専用の音楽プレーヤーやカメラとして使い続けることもできます。
SIM カードの取り扱い注意点
- SIM カードは精密部品。曲げたり水に濡らしたりしない
- 他人に貸さない (あなたの電話番号で電話や SMS が使われてしまう)
- 紛失したらすぐに携帯会社に連絡して利用停止する
- SIM カードに PIN コードを設定しておくと、盗まれても悪用を防げる
- SIM カードの金属端子部分に触らない。指紋や汚れで接触不良の原因になる
SIM カードの紛失や盗難は、電話番号の不正利用につながる深刻な問題です。スマホを落としたり盗まれたりした場合は、すぐに携帯会社に連絡して SIM カードの利用停止を依頼しましょう。多くの携帯会社は 24 時間対応の紛失・盗難窓口を設けています。
SIM ロックと SIM フリー
以前は、携帯会社が販売するスマホに「SIM ロック」がかけられていました。SIM ロックとは、特定の携帯会社の SIM カードしか使えないようにする制限のことです。たとえば、ドコモで買ったスマホにはドコモの SIM しか使えませんでした。
2021 年 10 月以降に販売されたスマホは、原則として SIM ロックがかかっていません (SIM フリー)。どの携帯会社の SIM カードでも使えるので、MNP で携帯会社を乗り換えるときもスマホを買い替える必要がありません。それ以前のスマホは、携帯会社に SIM ロック解除を依頼する必要があります (無料で対応してもらえます)。
格安 SIM とは
「格安 SIM」は、大手キャリア (ドコモ、au、ソフトバンク) より安い料金で使える SIM カードのことです。MVNO (仮想移動体通信事業者) と呼ばれる会社が、大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しています。月額 1,000 円以下のプランもあり、通信費を大幅に節約できます。
格安 SIM のデメリットとしては、昼休みや夕方の混雑時間帯に通信速度が遅くなることがある点、実店舗が少なくサポートがオンライン中心になる点が挙げられます。通話料の節約方法と合わせて検討すると、通信費全体を最適化できます。通信速度を重視する人は大手キャリアのオンライン専用プラン (ahamo、povo、LINEMO) も検討してみてください。
APN 設定とは
格安 SIM を使い始めるとき、「APN 設定」という作業が必要になることがあります。APN (Access Point Name) は、スマホがインターネットに接続するための設定情報です。大手キャリアの SIM は自動で設定されますが、格安 SIM は手動で設定が必要な場合があります。設定方法は各格安 SIM の公式サイトに詳しく載っています。
まとめ
SIM カードはスマホの「身分証明書」。電話番号と契約情報が入っていて、これがないと電話もネットも使えません。他人に貸さない、紛失したらすぐ連絡する、PIN コードを設定する。この 3 つを覚えておきましょう。最近は eSIM という物理カード不要の方式も普及しており、スマホの使い方の選択肢が広がっています。