電話交換機とは、発信者と着信者の電話回線を接続・切り替えする通信設備です。電話網の中核を担い、ダイヤルされた番号を解析して最適な経路を選択 (ルーティング) し、通話を確立します。PSTN (公衆交換電話網) の心臓部ともいえる存在です。
電話交換機の歴史は、電話の歴史そのものです。1878 年に世界初の電話交換局が米国コネチカット州に開設され、人間のオペレーター (交換手) が手動でプラグとジャックを使って回線を接続していました。日本では 1890 年に東京・横浜間で電話交換業務が開始されました。1926 年に日本初の自動交換機が導入され、ダイヤルを回すだけで相手に接続できるようになりました。その後、ステップバイステップ交換機、クロスバー交換機、電子交換機 (NTT の D70 など) と進化し、処理速度と収容回線数が飛躍的に向上しました。
現在の電話交換機は、ソフトスイッチ (ソフトウェアベースの交換機) が主流です。従来のハードウェア交換機が専用回路で回線を物理的に接続していたのに対し、ソフトスイッチは汎用サーバー上のソフトウェアで通話の制御を行います。SIP プロトコルを使って通話の確立・切断を管理し、音声データは IP パケットとして中継回線を伝送されます。
NTT は 2024 年に固定電話網を IP 網に完全移行しました。これにより、全国の電話交換機がソフトスイッチに置き換えられ、従来の回線交換方式 (通話ごとに専用回線を確保する方式) からパケット交換方式 (データを小さなパケットに分割して共有回線で伝送する方式) へと転換されました。企業内の電話交換機である PBX も、クラウド PBX への移行が加速しています。電話番号の構造で電話網の全体像を、電話番号の桁数の歴史で番号体系の変遷を確認できます。