ローミングとは、自分が契約している通信事業者のサービスエリア外にいる場合に、提携先の他社ネットワークを利用して通話やデータ通信を行う仕組みです。「roam (放浪する)」が語源で、利用者がエリアを移動しても通信が途切れないことを目的としています。
ローミングには国内ローミングと国際ローミングの 2 種類があります。国内ローミングは、自社の基地局がカバーしていない地域で他社のネットワークに接続するもので、楽天モバイルが KDDI (au) のネットワークをローミング利用しているケースが代表例です。新規参入事業者が全国に基地局を整備するには数年かかるため、その間の穴を埋める手段としてローミング契約が結ばれます。利用者は通常、ローミング中であることを意識せずに通話・通信できます。
国際ローミングは、海外渡航時に現地の通信事業者のネットワークに自動接続される仕組みです。端末の設定で「データローミング」をオンにしておくと、空港に到着した時点で現地ネットワークに接続されます。ただし、通話料は国内の数倍〜数十倍、データ通信料は 1MB あたり数百円に達することがあり、知らないうちに数万円の請求が発生する「パケ死」のリスクがあります。対策として、渡航前に海外パケット定額プランに加入する、現地の SIM カードを購入する、eSIM の海外プランを利用する、Wi-Fi 通話を活用するなどの方法があります。
災害時のローミングも重要な役割を果たします。東日本大震災以降、総務省は大規模災害時に被災地域で他社ネットワークを臨時ローミングする「事業者間ローミング」の制度化を進めています。通常時は競合関係にある事業者同士が、緊急時には相互にネットワークを開放し、通信手段の確保を優先する仕組みです。MNP で事業者を変更する際も、ローミング対応エリアの違いを確認しておくと安心です。