Wi-Fi 通話 (Wi-Fi Calling) とは、携帯電話の電波が弱い場所でも、Wi-Fi ネットワーク経由で音声通話を行える機能です。VoLTE の代替として、屋内や地下など電波の届きにくい場所で活用されます。技術的には、音声データを Wi-Fi 経由でキャリアの IMS (IP Multimedia Subsystem) に接続する仕組みで、3GPP の ePDG (evolved Packet Data Gateway) を経由してキャリアのコアネットワークに到達します。
Wi-Fi 通話の最大の利点は、通常の電話番号でそのまま発着信でき、相手側に特別な設定が不要な点です。LINE 通話や Skype などの VoIP アプリとは異なり、キャリアの電話番号を使うため、発信者番号通知も正常に機能します。通話料金も通常の音声通話と同じ扱いで、かけ放題プランの対象になります。Wi-Fi からモバイル回線への切り替え (ハンドオーバー) にも対応しており、移動中に Wi-Fi 圏外に出ても通話が途切れにくい設計です。
日本での対応状況はキャリアによって異なります。KDDI (au) が「au Wi-Fi 通話」として提供しているほか、楽天モバイルの Rakuten Link アプリも Wi-Fi 経由の通話に対応しています。NTT ドコモとソフトバンクは 2024 年時点で Wi-Fi Calling の一般提供を行っていません。海外では AT&T、T-Mobile、Vodafone など主要キャリアが標準機能として提供しており、日本は対応が遅れている状況です。
設定は端末の電話設定から Wi-Fi 通話を有効にするだけで完了します。iPhone では「設定」→「電話」→「Wi-Fi 通話」、Android では「設定」→「ネットワークとインターネット」→「通話」→「Wi-Fi 通話」から有効化できます。注意点として、緊急通報 (110/119) は Wi-Fi 通話経由では位置情報の精度が低下する場合があるため、緊急時はモバイル回線での通報が推奨されます。VoIP の基礎知識で関連技術を確認できます。