世界の電話番号体系の概要
電話番号は国際電気通信連合 (ITU) が定める E.164 規格に基づいて運用されており、各国は固有の国コードと番号体系を持っています。海外の番号体系を知っておくと、国際電話をかけるときも、見慣れない番号からの着信を判断するときも迷いません。
本記事では、日本の番号体系を起点に、主要国の特徴と日本との違いを比較解説します。日本の国コード や 電話番号の仕組み も合わせて参照してください。
国際電話の基本ルール
国際電話の番号表記には 2 つの形式があります。
- E.164 形式:
+[国コード][国内番号](例: +81-90-1234-5678 = 日本の 090-1234-5678) - 国際プレフィックス形式:
[国際プレフィックス][国コード][国内番号](例: 010-81-90-1234-5678、日本から発信する場合)
+ 記号は「発信元の国の国際プレフィックス」を置き換える記号です。スマートフォンで「+」から入力しておけば、滞在している国のプレフィックスを覚えていなくても同じ表記で発信できます。国内番号の先頭に付く 0 は + 形式では外すのが一般的で、日本の 090-1234-5678 は「+81-90-1234-5678」と表記します。
主要国の番号体系
日本 (国コード +81)
日本の電話番号は固定電話 10 桁、携帯電話 11 桁が基本です。固定電話は「市外局番 (1〜4 桁) + 市内局番 (1〜4 桁) + 加入者番号 (4 桁)」の構造で、合計 10 桁になります。携帯電話は 090・080・070 から始まる 11 桁で、地域識別はありません。2024 年 12 月の電気通信番号計画の変更では、携帯電話用に 060 から始まる 11 桁も追加されました。0120・0570 などの特殊番号も独自体系を持ちます。
アメリカ (国コード +1)
アメリカとカナダは「北米番号計画 (NANP)」という共通の番号体系を採用しており、国コードはどちらも +1 です。カリブ海地域の国と地域も同じ計画に参加しているため、+1 だけでは相手がどの国かを特定できません。電話番号は「3 桁エリアコード + 3 桁交換局コード + 4 桁加入者番号」の合計 10 桁固定です。固定電話・携帯電話の区別がなく、エリアコードはニューヨーク (212)、ロサンゼルス (213)、サンフランシスコ (415) など地域ごとに割り当てられます。トールフリー番号は 800・888・877・866 など複数の番号帯が使われています。
イギリス (国コード +44)
イギリスは「先頭 0 + 地域番号 + 加入者番号」の体系で、合計 10〜11 桁です。ロンドンは「020」、マンチェスターは「0161」、エディンバラは「0131」など地域ごとの番号があります。携帯電話は「07」で始まる 11 桁。フリーフォン (無料電話) は「0800」「0808」、企業窓口向けの有料帯は「0870」「0871」など、プレミアムレート (有料情報) は「09」と、用途ごとに番号帯が分かれています。
中国 (国コード +86)
中国の固定電話は「区番号 + 加入者番号」で 10〜12 桁です。北京は「010」、上海は「021」、広州は「020」が主要都市の区番号。携帯電話は「13」「15」「18」など 1 で始まる 11 桁で、番号帯は事業者 (中国移動・中国聯通・中国電信) ごとに分かれています。中国国内から国際電話をかけるときは「00」をプレフィックスとして使います。
韓国 (国コード +82)
韓国の固定電話は「先頭 0 + 地域番号 + 加入者番号」の 9〜11 桁です。ソウルは「02」、釜山は「051」、大邱は「053」など。携帯電話は「010」で始まる 11 桁で、かつて使われていた 011・016 などの番号帯は 010 に統合されました。日本と似た構造なので、区切りの読み取り方に戸惑いません。
インド (国コード +91)
インドの固定電話は「STD コード (2〜4 桁) + 加入者番号」で合計 10 桁。デリーは「11」、ムンバイは「22」、バンガロールは「80」など。国内から市外へかけるときは STD コードの前に 0 を付けます。携帯電話は「6」「7」「8」「9」で始まる 10 桁です。
日本との主な違い
桁数の違い
日本の固定電話は 10 桁、携帯電話は 11 桁ですが、各国でばらつきがあります。アメリカ・カナダは固定・携帯とも 10 桁固定。中国の携帯は 11 桁ですが固定電話は地域により 10〜12 桁と幅があります。インドは 10 桁固定で固定・携帯の桁数差がありません。
地域識別の方式
日本は「市外局番」で地域を識別しますが、アメリカは「エリアコード」で同じ仕組みです。中国の「区番号」も同様の発想です。携帯電話で地域識別がない国 (日本、韓国、インドなど) と、エリアコードがそのまま携帯にも適用される国 (アメリカ、カナダ) があります。
固定・携帯の見分け方
日本では先頭の数字 (090・080・070 → 携帯) で見分けます。アメリカは固定・携帯の区別が外見上できず、番号だけでは判別できません。イギリスは「07」で始まれば携帯と一目でわかります。日本の携帯電話番号 の見分け方も参考にしてください。
緊急通報番号
日本は警察 110・救急 119、アメリカは「911」、イギリスは「999」、EU 共通は「112」です。世界の緊急電話番号 でも詳しく解説しています。海外旅行時は事前に確認しておくことが重要です。
国際電話で気をつけるポイント
料金の差
国際電話の料金は発信元・着信先・通信事業者で大きく異なります。同じ相手にかけても、契約している事業者や国際通話向けオプションの有無で単価が変わるため、発信前に自分の契約の料金表を確認するのが確実です。LINE や WhatsApp のような通話アプリ同士の通話なら、通話料はかからずデータ通信だけで済みます。
時差を考慮する
海外への発信時は時差を確認します。標準時での日本との時差は、アメリカ東部が 14 時間、イギリスが 9 時間、インドが 3.5 時間です。アメリカとイギリスが夏時間の期間は、この差がそれぞれ 1 時間縮まります。相手の現地時間で営業時間内かを確認してから発信しましょう。
国際詐欺電話への警戒
+1, +44 など外国の国コードからの不審な着信は、国際電話詐欺 の可能性があります。覚えのない番号からの着信は折り返さず、+81 (日本) 以外の国コードの場合は特に警戒してください。
海外移住・出張時の注意点
海外で日本の番号を維持したい場合、SIM フリーのスマホに海外用 SIM を挿しつつ、日本の番号を VoIP 経由で受信する方法が一般的です。日本の番号を海外で使えるかどうかは、契約している事業者やアプリごとの提供条件によって変わるので、渡航前に自分が使っているサービスの案内で海外での発着信の扱いを確認しておきましょう。バーチャル電話番号 も海外との連絡に有用です。長期滞在する場合は現地の番号を取得することで、現地サービスへの登録や緊急時の連絡がスムーズになります。