着信メロディ (着メロ) とは、電話の着信時に鳴る音楽やメロディのことです。初期の携帯電話は単純な電子音しか鳴りませんでしたが、1996 年頃から和音対応の着信メロディが登場し、好きな曲を着信音に設定できるようになりました。iモードの普及とともに、着メロのダウンロードサービスは巨大なビジネスに成長しました。
着メロの進化は目覚ましいものでした。初期の単音メロディ (1 音ずつ鳴る) から、4 和音、16 和音、40 和音と音質が向上し、2002 年には原曲の歌声をそのまま再生できる「着うた」が登場しました。2004 年にはフルコーラスの「着うたフル」が開始され、1 曲 200〜400 円で販売されました。着うたフルの年間売上は 2008 年にピークの約 900 億円に達しました。
スマートフォンの普及により、着メロ・着うたビジネスは急速に衰退しました。iTunes や Spotify などの音楽配信サービスが主流となり、着信音のカスタマイズ自体への関心も薄れています。現在のスマートフォンでは、端末にプリインストールされた着信音を使うか、音楽ファイルを着信音に設定する方法が一般的です。
着信メロディの文化的意義は、携帯電話を「自分らしさを表現するツール」に変えた点にあります。着メロの選択は個性の表現であり、ポケベルの語呂合わせ文化から続く「モバイル端末を通じた自己表現」の系譜に位置づけられます。電話機の進化の歴史で携帯電話文化の変遷を振り返ることができます。