ショルダーフォンは、1985 年に NTT が発売した日本初の携帯電話サービス用端末です。正式名称は「TZ-802 型」で、重さ約 3kg、バッテリー込みの本体をショルダーバッグのように肩にかけて持ち運ぶスタイルから「ショルダーフォン」と呼ばれました。
ショルダーフォンの利用料金は極めて高額でした。保証金 20 万円、月額基本料 26,000 円、通話料は 6.5 秒あたり 10 円 (1 分あたり約 92 円) で、一般の人が気軽に使える代物ではありませんでした。主な利用者は企業の経営者、医師、不動産業者など、外出先での連絡が不可欠な職業の人々でした。
ショルダーフォンの登場は、「電話を持ち歩く」という概念を日本に初めてもたらしました。それまで電話は建物に固定されたインフラでしたが、ショルダーフォンにより「いつでもどこでも電話ができる」時代の幕が開きました。1987 年には重さ約 900g の「TZ-803 型」(ハンディタイプ) が登場し、小型化が急速に進みました。
その後、1991 年に NTT ドコモが設立され、端末はさらに小型・軽量化していきました。1999 年のiモード開始、2007 年の iPhone 発売を経て、現在のスマートフォン時代に至ります。ショルダーフォンから約 40 年で、3kg の端末が 200g 以下のスマートフォンに進化したことになります。電話機の進化の歴史で携帯電話の変遷を詳しく解説しています。