ダイヤル Q2 は、NTT が 1989 年に開始した電話回線を使った有料情報提供サービスです。「0990」で始まる番号に電話をかけると、天気予報、占い、株価情報、スポーツ結果、アダルトコンテンツなどの情報が音声で提供され、情報料が電話料金に上乗せされて請求される仕組みでした。
ダイヤル Q2 は 1990 年代に深刻な社会問題を引き起こしました。子どもがアダルト番組に繰り返し電話をかけ、月額数十万円の請求が届くケースが続出しました。また、パソコン通信のアクセスポイントを装ってダイヤル Q2 番号に接続させる「ダイヤラー」と呼ばれる悪質なソフトウェアも問題になりました。インターネット接続中に知らないうちに国際電話やダイヤル Q2 に接続され、高額請求が発生するトラブルが多発しました。
これらの問題を受けて、NTT はダイヤル Q2 の利用制限機能 (暗証番号による発信制限) を導入し、未成年者の利用を制限する措置を講じました。しかし、インターネットの普及により有料情報サービスの需要自体が激減し、NTT は 2014 年 2 月にダイヤル Q2 のサービスを終了しました。
ダイヤル Q2 の教訓は、現在の0570 番号の「かけ放題対象外」問題や、スマートフォンアプリの課金トラブルにも通じます。「知らないうちに高額請求が発生する」リスクは形を変えて存在し続けています。消えた電話番号の歴史でダイヤル Q2 の時代を振り返ることができます。