通信の秘密とは、通信の内容 (通話の会話内容、メールの本文など) および通信の存在に関する事実 (誰が誰にいつ電話したかなど) を、第三者に知られない権利です。日本国憲法第 21 条第 2 項で「通信の秘密は、これを侵してはならない」と規定され、電気通信事業法第 4 条でも同様の保護が定められています。
通信の秘密が保護する範囲は広く、通話内容だけでなく、発信者番号、着信者番号、通話日時、通話時間、メールの宛先、Web サイトの閲覧履歴なども含まれます。通信事業者はこれらの情報を正当な理由なく第三者に開示することが禁止されており、違反した場合は 3 年以下の懲役または 200 万円以下の罰金が科されます。
通信の秘密には例外があります。裁判所の令状に基づく捜査機関への開示、通信事業者自身のサービス提供に必要な範囲での利用 (課金処理など)、利用者本人の同意がある場合です。盗聴捜査 (通信傍受) は「通信傍受法」に基づき、組織犯罪に限定して裁判所の令状のもとで行われます。
迷惑電話対策との関係では、通信の秘密がスパム電話のフィルタリングを難しくしている側面があります。通信事業者が通話内容を分析して迷惑電話を自動ブロックすることは、通信の秘密に抵触する可能性があるためです。総務省は 2023 年にガイドラインを改定し、一定の条件下での迷惑電話対策を許容する方向に動いています。通話録音の法的ガイドも参考にしてください。