盗聴とは、通話の当事者以外の第三者が、通話内容を不正に傍受する行為です。日本では電気通信事業法第 4 条 (通信の秘密の保護) により通信の秘密が保護されており、盗聴は 3 年以下の懲役または 200 万円以下の罰金で処罰されます。憲法 21 条 2 項でも通信の秘密は保障されており、法的に極めて重い犯罪です。
盗聴の手法は、対象が固定電話か携帯電話かで大きく異なります。固定電話の盗聴は、電話線への物理的な接続 (タッピング) が古典的な手法です。電話機本体、モジュラージャック、屋外の配線ボックスに盗聴器を設置するケースが多く、盗聴器は市販品が数千円から入手可能なため、技術的なハードルは低いのが実情です。一方、携帯電話の通話はデジタル暗号化 (3G 以降は AES 暗号) されているため、電波を傍受しても内容を復号するのは極めて困難です。
ただし、携帯電話でも盗聴リスクはゼロではありません。IMSI キャッチャー (偽基地局、Stingray とも呼ばれる) は、正規の基地局になりすまして端末を接続させ、通信を中継する過程で傍受する装置です。法執行機関が捜査目的で使用するケースがありますが、犯罪者が悪用する事例も海外で報告されています。また、スマートフォンにスパイウェアをインストールされると、通話内容だけでなく SMS、位置情報、カメラ映像まで監視される可能性があります。
盗聴の疑いがある場合の対処法は段階的に進めます。固定電話の場合は、専門業者による盗聴器の調査 (費用は 3〜10 万円程度) を依頼します。スマートフォンの場合は、身に覚えのないアプリがインストールされていないか確認し、OS を最新版に更新します。VoIP 通話ではエンドツーエンド暗号化に対応したサービス (Signal、WhatsApp など) を利用することで、通信経路上での傍受リスクを大幅に低減できます。深刻な場合は警察に相談し、ストーカー規制法や不正アクセス禁止法の適用を検討します。通話録音の法的ガイドで合法的な録音と違法な盗聴の境界線を確認できます。