固定電話とは、特定の場所 (自宅やオフィス) に設置された電話回線に接続する電話です。市外局番 + 市内局番 + 加入者番号の構成で、番号から設置地域を特定できるのが最大の特徴です。日本の固定電話の歴史は 1890 年の東京・横浜間の電話交換業務開始に遡り、130 年以上にわたって通信インフラの基盤を担ってきました。
固定電話の契約数は携帯電話の普及に伴い減少が続いています。ピーク時 (1997 年度 / 加入電話 + ISDN 合計) の約 6,300 万件から、2023 年度末には約 1,400 万件まで減少しました。世帯単位で見た保有率も下がり続けており、総務省の通信利用動向調査 (2025 年調査 / 2026 年 5 月公表) では 53.6% です。若い世帯ほど保有率が低く、高齢の世帯ほど高いという年齢層による差も残っています。
契約数の減少にもかかわらず、固定電話ならではの役割は依然として重要です。ビジネスでは、03 や 06 で始まる固定電話番号があると企業の信用度が高まります。金融機関の口座開設や取引先の審査で、固定電話番号の記入を求められることもあります。緊急通報 (110/119) では、固定電話からの通報は電話番号に紐づく契約住所が受信側へ自動通知されます。携帯電話からの通報では、GPS に対応した端末で測位できる場合は GPS の位置情報が、それ以外は基地局の場所などから算出した位置が通知される仕組みです。また、ひかり電話のように光回線とまとめて契約する形もあり、NTT 東日本の基本プランは月額 550 円 (税込 / 2026 年時点) です。ただし利用にはフレッツ光などの光回線契約が別途必要で、電話部分だけを 550 円で使えるわけではありません。
NTT は PSTN (公衆交換電話網) から IP 網への移行を 2024 年 1 月から地域ごとに段階的に進め、2025 年 1 月までに完了しました。利用者にとっての使い方や電話番号は基本的に変わりませんが、裏側の技術はアナログの回線交換方式からデジタルのパケット交換方式に転換されています。この移行により、ISDN のデータ通信 (ディジタル通信モード) は終了しましたが、音声通話は引き続き利用できます。電話番号の仕組みで番号体系を、市外局番の調べ方で地域の特定方法を確認できます。