回線交換とは、通話の開始から終了まで、発信者と着信者の間に専用の通信回線を確保し続ける通信方式です。従来の固定電話網 (PSTN) や 2G/3G の携帯電話網で使われてきた基本技術で、交換機が回線の接続と切断を制御します。
回線交換の利点は、通話中に一定の通信品質が保証される点です。専用回線が確保されるため、他の通信の影響を受けず、音声の遅延やジッター (揺らぎ) が発生しにくくなります。緊急通報 (110・119) の信頼性が高いのも、回線交換方式の安定性によるものです。
一方、回線交換の欠点は回線の利用効率が低い点です。通話中に沈黙している時間も回線を占有し続けるため、帯域が無駄になります。これに対し、VoIP で使われるパケット交換方式は、データを小さなパケットに分割して送受信し、回線を共有するため効率的です。
NTT は 2024 年から PSTN (回線交換網) を IP 網に移行する「PSTN マイグレーション」を進めています。4G の VoLTE も音声をパケットとして処理する方式で、回線交換は徐々に姿を消しつつあります。ただし、利用者の電話番号や電話機はそのまま使えるため、一般ユーザーへの影響はほとんどありません。VoIP の基礎知識で回線交換とパケット交換の違いを詳しく解説しています。