ACD (Automatic Call Distribution、着信呼自動分配) とは、コールセンターに着信した電話を、あらかじめ設定されたルールに基づいて待機中のオペレーターに自動的に振り分けるシステムです。コールセンターの効率と顧客満足度を左右する中核技術であり、PBX、IVR、CTI と並ぶ 4 大システムの一つです。
ACD の振り分けルール (ルーティングアルゴリズム) は主に 4 種類あります。第一に、最長待機時間方式。最も長く待機しているオペレーターに優先的に振り分け、対応件数を均等化します。第二に、スキルベースルーティング。オペレーターの言語能力 (日本語・英語・中国語)、専門分野 (技術サポート・請求・解約)、資格 (金融商品取引業務など) に応じて、最適なオペレーターに振り分けます。第三に、優先度ベースルーティング。VIP 顧客や緊急度の高い問い合わせを優先的に対応します。第四に、パーセンテージルーティング。複数の拠点やチームに一定の割合で着信を分配します。
ACD は IVR と密接に連携して動作します。IVR で「技術サポートは 1 を、請求に関するお問い合わせは 2 を」と振り分けた後、ACD が該当スキルを持つオペレーターの中から最適な 1 人を選んで接続します。CTI と連携すれば、着信と同時に顧客情報がオペレーターの画面に表示され、スムーズな対応が可能になります。
ACD の運用で重要な KPI は、応答率 (全着信のうち応答できた割合、目標 80% 以上)、平均応答速度 (ASA: Average Speed of Answer、目標 20 秒以内)、サービスレベル (「20 秒以内に 80% の着信に応答する」などの目標値) です。これらの KPI をリアルタイムでモニタリングし、オペレーターの増減やルーティングルールの調整を行うのがコールセンター管理者の主要業務です。クラウド PBX サービスには ACD 機能が標準搭載されていることが多く、ブラウザ上でルールの変更やリアルタイムモニタリングが可能です。コールセンター品質向上のコツで運用のポイントを確認できます。