データ通信とは、音声以外のデジタルデータ (テキスト、画像、動画、アプリのデータなど) をネットワーク経由で送受信する通信方式です。携帯電話では、Web 閲覧、アプリの利用、メールの送受信、ビデオ通話などがデータ通信に該当します。SMS は電話番号だけでやり取りする短いメッセージですが、データ通信とは別の経路 (携帯網の制御用の信号や、IMS と呼ばれる音声用の仕組み) で運ばれるのが一般的で、料金プランの「月間○GB」を消費せず、代わりに 1 通ごとの送信料がかかります。
携帯電話のデータ通信は、パケット通信方式で行われます。データを小さな「パケット」に分割して送受信し、回線を常時占有しないため、多数のユーザーが同時に通信できます。従来の音声通話が採用していた回線交換方式では、通話が終わるまで 1 本の通り道を確保し続けます。この違いが、料金の考え方が「通話は時間で、データは量で」に分かれている理由です。料金プランでは「月間○GB」のようにデータ通信量の上限が設定されており、超過すると通信速度が制限されます。制限後は文字中心のページでも表示を待たされ、動画はほぼ再生できない水準まで落ちます。
音声通話とデータ通信の関係は、世代交代のたびに変わってきました。3G の時代は、通信方式の組み合わせによって音声通話中にデータ通信ができないものがありました。4G の VoLTE では音声もデータとして処理されるため、通話しながらの Web 閲覧が当たり前になりました。5G ではさらに大容量・低遅延のデータ通信が実現し、高品質なビデオ通話やリアルタイムの遠隔操作にも使われています。
データ通信量を節約するには、Wi-Fi を積極的に利用する、動画の画質設定を下げる、バックグラウンドでのアプリ更新を制限する、データセーバー機能を有効にするなどの方法があります。身に覚えのない消費が続くときは、動画の自動再生、写真のクラウド自動バックアップ、アプリの自動更新の 3 つを疑うと大半が説明できます。
契約を選ぶときの落とし穴として、データ通信専用の契約 (音声通話に対応しない SIM) では電話番号での発信ができず、110 番や 119 番の緊急通報も利用できません。通話はアプリ経由のIP 電話に頼ることになりますが、050 番号の IP 電話やアプリ型の通話からは、110 番・119 番などの緊急通報を原則として発信できません。緊急時の連絡手段は別に確保しておく必要があります。LINE 通話と電話の違いでは、データ通信を使う通話と通常の電話回線の違いを解説しています。