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回線交換

かいせんこうかん

回線交換とは、通話の開始から終了まで、発信者と着信者の間に専用の通信回線を確保し続ける通信方式です。従来の固定電話網 (PSTN) や 2G/3G の携帯電話網で使われてきた基本技術で、交換機が回線の接続と切断を制御します。ここでいう「専用の回線」は銅線 1 本を丸ごと占有するという意味ではなく、交換機が通話ごとに一定の伝送帯域 (デジタル化された網では 1 通話 64kbps の通話路) を割り当て、通話が終わるまで他の通話に使わせない、という意味です。

回線交換の利点は、通話中に一定の通信品質が保証される点です。専用回線が確保されるため、他の通信の影響を受けず、音声の遅延やジッター (揺らぎ) が発生しにくくなります。緊急通報 (110・119) に求められる高い信頼性も、回線交換の時代に築かれた安定性や優先制御の考え方を土台にしたもので、IP 網へ移った後もその設計思想が引き継がれています。

一方、回線交換の欠点は回線の利用効率が低い点です。通話中に沈黙している時間も回線を占有し続けるため、帯域が無駄になります。これに対し、VoIP で使われるパケット交換方式は、データを小さなパケットに分割して送受信し、回線を共有するため効率的です。

NTT 東西は 2024 年 1 月から PSTN (回線交換網) を IP 網へ切り替える「PSTN マイグレーション」を段階的に進め、2025 年 1 月までに移行を完了しました。電話番号も電話機もそのまま使えるため、音声通話の利用者から見た使い勝手はほとんど変わっていません。携帯電話でも音声をパケットとして扱う 4G の VoLTE が標準になり、交換機が通話ごとに通話路を占有する方式は主要な音声網から退いています。実務で誤解しやすいのは、通話時間に応じた課金 (「3 分◯円」型) を回線交換の必然だと考えてしまう点です。時間課金は回線を占有していた時代に定着した料金設計で、IP 網へ移った後も料金体系として続いているにすぎません。VoIP の基礎知識で回線交換とパケット交換の違いを詳しく解説しています。

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