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電話加入権

でんわかにゅうけん

電話加入権とは、加入電話の契約者が契約に基づいて加入電話の提供を受ける権利のことです (電話サービス契約約款第 21 条)。日常的には、NTT の固定電話を新規に契約するときに支払う「施設設置負担金」とほぼ同じ意味で使われます。加入電話 (単独電話) の場合、この負担金は 72,000 円 (税込 75,600 円) だった時期があり、企業の貸借対照表には資産として計上され、売買や質入れ (質権の設定) の対象にもなってきました。

電話加入権の歴史は、日本の通信インフラ整備と密接に結びついています。施設設置負担金は、市内交換局ビルから利用者の宅内までの加入者回線の建設費用の一部を、基本料の前払い的な位置付けで負担してもらう料金です。NTT 西日本は、この負担金が電話の早期普及のための設備建設資金の調達手段として、電話網の建設に大きな役割を果たしてきたと説明しています。日本電信電話公社 (1952 年設立) の時代から続く仕組みで、1985 年の民営化 (日本電信電話株式会社の設立) 後も制度は維持されました。

2005 年 3 月 1 日、施設設置負担金は加入電話 (単独電話) で 36,000 円 (税込 37,800 円) へ半額に値下げされました。同時に、施設設置負担金が不要な代わりに月々の基本料へ加算額を上乗せする「加入電話・ライトプラン」の加算額も、月額 640 円から 250 円 (税込 262.5 円) へ引き下げられています。ライトプランは 2005 年に始まった制度ではなく、加入電話向けには 2002 年 2 月から選べる料金プランで、値下げ当時すでに新規契約者の大半がライトプランを選んでいました。携帯電話の普及で固定電話の新規需要は縮小しています。NTT 西日本は電話加入権について、同社が財産的価値を保証しているわけではないとしつつ、社会実態としては取引市場が形成されており、法人税法上は非減価償却資産とされるなどの諸制度が設けられていると説明しています。償却されない資産であるため、企業の帳簿には取得原価のまま残り続けます。

廃止の議論も長く続いてきました。総務省の情報通信審議会は 2004 年の最終答申 (「平成 17 年度以降の接続料算定の在り方」) で、既存契約者や電話加入権の取引市場に一定の配慮をしつつ、NTT 東日本 / NTT 西日本が廃止も選択肢とした見直しを望むのであれば容認されるべきとしました。両社は答申を踏まえて廃止ではなく値下げを実施し、NTT 西日本は今後の見直しについて、取引市場の動向や関連諸制度の見直しとの関係を見極めて検討するとしています (2005 年時点の説明)。返還については、負担金は加入者回線の建設費用に充てるとともに月々の基本料を割安な水準に設定する形で還元しているため、解約時等にも返還していないというのが NTT 西日本の説明です。PSTN から IP 網への移行が進み、フレッツ光をアクセス回線とするひかり電話のように施設設置負担金がかからないサービスも選べるため、新たに負担金を支払う場面は限られます。電話番号の構造で固定電話の番号体系を、電話番号の桁数の歴史で通信インフラの変遷を確認できます。

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