マナーモードとは、携帯電話の着信音や通知音を消音し、バイブレーション (振動) のみで通知する設定です。電車内、会議中、映画館、病院など、音を出すことが周囲の迷惑になる場面で使用します。「マナーモード」は和製英語で、英語圏では「Silent Mode」「Vibrate Mode」と呼ばれます。
日本でマナーモードが定着した背景には、公共空間での携帯電話マナーに対する社会的な意識の高さがあります。携帯電話が普及した 1990 年代後半には、車内での通話や着信音が繰り返し苦情の対象になり、鉄道事業者はそれぞれの言葉で自粛を呼びかけていました。2003 年には関東の鉄道事業者 17 社が車内アナウンスの内容を統一し、「マナーモードに設定のうえ通話は控える」という呼びかけがここから広がりました。2026 年時点でも同じ趣旨の案内が車内で流れていますが、細かな文言は事業者によって異なります。
切り替え方は端末によって異なります。iPhone は側面に着信/サイレントスイッチを備える機種ならスイッチを動かすだけで切り替わり、スイッチの代わりにアクションボタンを備える機種では、そのボタンにサイレント切り替えを割り当てるか、コントロールセンターから操作します。Android は音量ボタンを押したときに出るパネルや、設定の音量メニューから切り替えます。さらに、通知そのものを抑える「サイレントモード」や、指定した連絡先からの着信だけを通す集中モード (おやすみモード・Do Not Disturb) といった細かい制御も用意されています。
注意点は 2 つあります。1 つは、マナーモードでも鳴るものがあることです。緊急地震速報や J アラートなどの緊急速報は、命に関わる情報を確実に届けるため、マナーモード中でも強制的に音が鳴る仕様です。目覚まし用のアラームも多くの端末では対象外で、アラームの音量は着信音とは別系統で管理されます。会議中に鳴らしたくなければ、マナーモードに任せず、アラーム自体をオフにしておく必要があります。もう 1 つは、バイブレーションが無音ではないことです。硬い机の上に置いた端末が振動すると、着信音より響くことがあります。本当に静かにしたい場所では振動も切り、画面表示だけで気づく設定にしておくと確実です。電話マナーの基本も参考にしてください。