RCS (Rich Communication Services) とは、SMS/MMS の後継として GSMA (GSM Association) が策定した次世代メッセージング規格です。電話番号ベースでありながら、画像・動画の送信、グループチャット、既読確認、タイピング表示、位置情報共有、ファイル転送などの機能を提供します。SMS の 160 文字制限や画像送信の制約を解消し、LINE や iMessage に匹敵するリッチなメッセージング体験を実現します。
RCS の普及は Google と Apple の対応状況に大きく依存しています。Google は Android の標準メッセージアプリ (Google Messages) で RCS に対応しており、Android ユーザー間では iMessage に近い体験が可能です。Apple は長らく RCS に非対応でしたが、2024 年の iOS 18 で RCS 対応を開始し、iPhone と Android 間のメッセージング体験が大幅に改善されました。従来は iPhone から Android に画像を送ると MMS に劣化して画質が低下していましたが、RCS 対応により高画質のまま送受信できるようになっています。
セキュリティ面では、Google Messages 間の RCS メッセージはエンドツーエンド暗号化に対応していますが、異なるプラットフォーム間 (iPhone と Android 間) では暗号化が未対応です。この点は iMessage (Apple デバイス間で完全暗号化) や Signal (全プラットフォームで完全暗号化) と比較して弱点となっています。
企業向けには RCS Business Messaging (RBM) として、ブランドロゴ付きのメッセージ送信、インタラクティブなボタン配置、カルーセル表示などが可能です。送信元の企業認証が組み込まれているため、スミッシング対策としても期待されています。正規の企業からの RCS メッセージにはブランドロゴと認証マークが表示されるため、偽メッセージとの区別が容易になります。SMS フィッシング対策ガイドで SMS/RCS のセキュリティを確認できます。