フィッシング (Phishing) とは、実在する企業や組織を装った偽のウェブサイト、メール、SMS などを使って、個人情報やログイン情報を騙し取る詐欺手法です。英語の Fishing (釣り) にちなむ造語とされ、綴りには ph が使われます。フィッシング対策協議会が受領した国内の報告件数は、2023 年に 1,196,390 件 (同協議会のフィッシングレポートで当時の過去最高)、2025 年は 2,454,297 件 (同レポート時点の過去最多) でした。かたられたブランドは 2025 年に 229 あり、クレジットカード / 信販系と金融系が上位を占めました。
電話番号に関連するフィッシングには複数の手法があります。SMS を使ったスミッシングは、宅配便の不在通知や銀行のセキュリティ警告を装って偽サイトに誘導します。電話で直接個人情報を聞き出すビッシング (Voice Phishing) では、発信者番号偽装を併用して銀行や警察をかたる手口が知られています。フィッシングで入手した電話番号がSIM スワップ攻撃の足がかりに使われることもあり、一つの情報の流出が次の攻撃につながる点が厄介です。
偽サイトを見た目で見分ける対策には限界があります。正規サイトと URL が 1 文字だけ異なるドメイン、実在する担当者名を差出人にしたメール、ブラウザーに鍵マークが表示される SSL/TLS 証明書付きの偽サイトなど、「怪しいサイトの見分け方」だけでは判断しきれない手口が報告されています。リンクをたどって開いたページでは認証情報を入力しない、という手順のほうが確実です。
被害を防ぐ具体策は、不審なリンクをクリックしない、メールや SMS のリンクではなく公式アプリやブックマークから直接アクセスする、二段階認証を設定する、パスワードマネージャーを使う (偽サイトでは URL が異なるため自動入力されず、そこで気づける) といったものです。パスキー (FIDO2) は認証情報が登録したドメインに紐づく仕組みのため、URL の異なる偽サイトでは認証が成立しません。振り込め詐欺の防止策も併せて確認しましょう。