クーリング・オフとは、特定商取引法で定められた消費者保護制度で、電話勧誘販売や訪問販売などで契約した場合に、一定期間内であれば理由を問わず無条件で契約を解除できる権利です。「頭を冷やす (cooling off) 期間」を設けることで、不意打ち的な勧誘による衝動的な契約から消費者を守ります。
クーリング・オフの適用期間は取引形態によって異なります。電話勧誘販売と訪問販売は契約書面を受け取った日を 1 日目として 8 日間、マルチ商法 (連鎖販売取引) は 20 日間です。重要な点として、通信販売 (ネットショッピングなど) にはクーリング・オフが適用されません。通信販売は消費者が自ら購入を決断する取引形態であり、不意打ち性がないためです。返品については各事業者の返品特約に従います。
2022 年の法改正により、クーリング・オフの通知方法が拡充されました。従来は書面 (はがきや内容証明郵便) のみでしたが、電磁的記録 (メール、FAX、USB メモリ、Web フォームなど) での通知も認められるようになりました。通知は発信した時点で効力が生じるため、期間最終日の消印やメール送信でも有効です。はがきで通知する場合は、両面のコピーを取り、特定記録郵便または簡易書留で送付すると証拠が残ります。
クーリング・オフが成立すると、支払った代金は全額返金され、商品の返送費用も事業者が負担します。違約金や損害賠償を請求されることもありません。事業者が「クーリング・オフはできない」と虚偽の説明をした場合や、書面に法定記載事項の不備がある場合は、8 日を過ぎても取り消しが可能です。ビッシングや強引なテレマーケティングで不本意な契約をしてしまった場合は、まず消費生活センター (188) に相談しましょう。特商法と電話販売の権利で法的な詳細を確認できます。