特定商取引法 (特商法) とは、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購入の 7 つの取引類型を規制する法律です。消費者トラブルが生じやすい取引を対象に、事業者の行為規制と消費者の権利保護を定めています。1976 年に「訪問販売法」として制定され、2001 年に現在の名称に改称されました。
電話勧誘販売に関する主な規制は 4 つあります。第一に、事業者名と勧誘目的の明示義務 (第 16 条)。第二に、再勧誘の禁止 (第 17 条) で、一度断った消費者への再度の勧誘は違法です。第三に、不実告知・重要事項の不告知の禁止 (第 21 条)。第四に、契約書面の交付義務 (第 18 条・第 19 条) です。これらに違反した場合、クーリング・オフの起算日が延長される場合もあります。
違反した事業者には行政処分 (業務停止命令、業務禁止命令) や刑事罰 (懲役・罰金) が科されます。2022 年の法改正では、通信販売における詐欺的な定期購入商法への規制が強化され、最終確認画面での誤認表示が禁止されました。また、事業者の代表者個人に対する業務禁止命令も導入され、法人を変えて同じ違法行為を繰り返す「焼き畑商法」への対策が強化されています。
消費者として知っておくべき実務的なポイントは、電話勧誘で「今日中に決めてください」と急かされた場合、それ自体が不当な勧誘行為に該当する可能性があることです。特商法は消費者に冷静な判断の機会を保障しており、クーリング・オフ制度もその一環です。被害を受けた場合は消費者ホットライン (188) に電話すれば、最寄りの消費生活センターに繋がります。テレマーケティング業者からの不審な電話には、電話勧誘の断り方を知っておくと安心です。