固定電話の迷惑電話対策サービスの全体像
固定電話への迷惑電話は、高齢者を狙った特殊詐欺や悪質な営業電話など、深刻な社会問題です。総務省の調査によると、固定電話利用者の約 60% が過去 1 年間に迷惑電話を受けた経験があると回答しています。しかし、通信事業者が提供する対策サービスを適切に設定すれば、迷惑電話の大半を未然に防ぐことが可能です。本記事では、NTT 東日本・西日本、KDDI、ソフトバンクの 3 社が提供する主要な迷惑電話対策サービスの仕組みと設定方法を詳しく解説します。迷惑電話の撃退法とあわせてご確認ください。
迷惑電話対策サービスは大きく 3 つのカテゴリに分類できます。第一に、発信者番号を表示する「ナンバーディスプレイ」系サービス。第二に、非通知着信を拒否する「ナンバーリクエスト」系サービス。第三に、特定の番号からの着信を拒否する「迷惑電話おことわり」系サービスです。これらを組み合わせることで、多層的な防御体制を構築できます。
ナンバーディスプレイの設定と活用
NTT 東日本・西日本のナンバーディスプレイ
NTT のナンバーディスプレイは、着信時に発信者の電話番号を電話機のディスプレイに表示するサービスです。月額料金は住宅用回線で 440 円 (税込) です。申し込みは NTT の公式サイト、電話 (116 番)、または NTT の窓口で行えます。工事費は 2,200 円 (税込) ですが、キャンペーン期間中は無料になることもあります。
ナンバーディスプレイを利用するには、番号表示に対応した電話機が必要です。対応電話機であれば、NTT 側の設定が完了した時点で自動的に番号が表示されます。電話機側の設定は通常不要ですが、機種によっては「ナンバーディスプレイ対応」の設定を有効にする必要があります。取扱説明書を確認してください。ナンバーディスプレイの詳しい活用法も参考になります。
KDDI (auひかり) の発信番号表示
KDDI の auひかり電話サービスでは、発信番号表示が月額 440 円 (税込) で利用できます。auひかりの電話オプションパック (月額 550 円) に加入すると、発信番号表示を含む複数のオプションがセットで利用でき、個別に契約するよりも割安です。申し込みは My au または KDDI お客さまセンター (0077-7-111) で行えます。
ソフトバンク (おうちのでんわ) の番号表示
ソフトバンクの「おうちのでんわ」では、番号表示サービスが月額 440 円 (税込) で提供されています。ソフトバンクショップまたはカスタマーサポート (0800-111-2009) で申し込み可能です。おうちのでんわは LTE 回線を利用した固定電話サービスのため、従来のアナログ回線とは設定方法が異なる場合があります。
ナンバーリクエストで非通知着信を拒否する
NTT のナンバーリクエスト
ナンバーリクエストは、非通知でかけてきた相手に「お客さまの電話番号を通知しておかけ直しください」という音声ガイダンスを流し、自動的に着信を拒否するサービスです。月額料金は住宅用回線で 220 円 (税込) です。ナンバーディスプレイとの併用が前提となるため、両方の契約が必要です。
設定方法は簡単で、電話機から「148」にダイヤルし、ガイダンスに従って「1」を押すだけで有効になります。解除する場合は同じく「148」にダイヤルして「0」を押します。非通知の迷惑電話が多い場合は、まずこのサービスの導入を検討してください。知らない番号からの電話への対処法も参考にしてください。
KDDI のナンバーリクエスト
KDDI の auひかり電話でも同等のサービスが提供されています。月額 220 円 (税込) で、非通知着信に対して番号通知を促すガイダンスを流します。電話オプションパックに含まれているため、パック契約者は追加料金なしで利用できます。
ソフトバンクの非通知着信拒否
ソフトバンクの「おうちのでんわ」では、非通知着信拒否が月額 220 円 (税込) で利用可能です。設定方法は NTT と同様に、電話機からの操作で有効化・無効化を切り替えられます。
迷惑電話おことわりサービスの設定
NTT の迷惑電話おことわりサービス
迷惑電話おことわりサービスは、迷惑電話を受けた直後に電話機から「144」にダイヤルすることで、その番号からの着信を自動的に拒否するサービスです。登録された番号からの着信には「この電話はお受けできません」というガイダンスが流れます。月額料金は住宅用回線で 660 円 (税込)、最大 30 件まで番号を登録できます。
登録手順は以下のとおりです。迷惑電話を受けた後、受話器を置いてから「144」にダイヤルします。ガイダンスに従って「2」を押すと、直前に着信した番号が自動的に登録されます。登録済みの番号を確認する場合は「144」→「4」、削除する場合は「144」→「3」で操作できます。迷惑電話撃退グッズと組み合わせれば、より強固な防御が可能です。
KDDI の迷惑電話拒否サービス
KDDI の auひかり電話では、迷惑電話発着信ブロックサービスが提供されています。トビラフォンの迷惑電話データベースと連携し、約 3 万件の迷惑電話番号を自動的にブロックします。月額 330 円 (税込) で、個別の番号登録操作が不要な点が NTT のサービスとの大きな違いです。迷惑電話データベースの活用法も参考にしてください。
ソフトバンクの迷惑電話対策
ソフトバンクの「おうちのでんわ」では、着信拒否サービスが月額 220 円 (税込) で利用できます。最大 20 件の番号を登録でき、登録された番号からの着信を自動的に拒否します。
3 社のサービス比較
各社の迷惑電話対策サービスを比較すると、基本的な機能は共通していますが、料金体系と付加機能に違いがあります。
- NTT 東日本・西日本 - ナンバーディスプレイ 440 円 + ナンバーリクエスト 220 円 + 迷惑電話おことわり 660 円 = 合計 1,320 円/月。個別契約のため柔軟に選択可能
- KDDI (auひかり) - 電話オプションパック 550 円/月で主要サービスをまとめて利用可能。迷惑電話データベース連携が強み
- ソフトバンク (おうちのでんわ) - 各サービス個別契約。LTE 回線のため通話品質が天候に左右されにくい
コストパフォーマンスでは KDDI のオプションパックが優れていますが、既存の NTT 回線を利用している場合は回線変更の手間とコストも考慮する必要があります。ひかり電話への移行を検討中の方は、移行先の迷惑電話対策サービスも比較材料に加えてください。
設定の組み合わせによる多層防御
最も効果的な迷惑電話対策は、複数のサービスを組み合わせた多層防御です。推奨する設定の組み合わせは以下のとおりです。
- 第 1 層: ナンバーディスプレイ - 発信者番号を確認し、知らない番号には出ない判断が可能に
- 第 2 層: ナンバーリクエスト - 非通知着信を自動拒否し、番号を隠す悪質な発信者を排除
- 第 3 層: 迷惑電話おことわりサービス - 実際に受けた迷惑電話の番号を個別にブロック
- 第 4 層: 電話機の迷惑電話防止機能 - 自動警告メッセージや通話録音で詐欺師を牽制
この 4 層の防御を構築することで、迷惑電話の大半を遮断できます。高齢者を電話詐欺から守る方法も参考に、ハードウェアとサービスの両面から対策を強化しましょう。パナソニックの防犯電話機は多層防御の第 4 層として特に効果的です。
まとめ
固定電話の迷惑電話対策は、通信事業者が提供するサービスを正しく設定するだけで大幅に改善できます。ナンバーディスプレイで発信者を確認し、ナンバーリクエストで非通知を拒否し、迷惑電話おことわりサービスで既知の迷惑番号をブロックする。この 3 段階の設定を基本とし、防犯機能付き電話機と組み合わせることで、固定電話の安全性を飛躍的に高められます。各サービスの申し込みは電話 1 本で完了するため、まだ設定していない方は今日から対策を始めてください。