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詐欺対策

暗号資産関連の電話詐欺を見抜く方法

約 8 分で読めます

暗号資産を使った電話詐欺の背景

暗号資産 (仮想通貨) の知名度が上がるにつれて、暗号資産への投資をうたう電話勧誘が繰り返し確認されています。「必ず儲かる」「元本保証」「今だけの特別案件」といった甘い言葉で勧誘し、偽の取引所や投資プラットフォームに資金を振り込ませるフィッシング的な手口が代表例です。送金した暗号資産には、銀行振込のような口座凍結による救済の仕組みがなく、被害回復が極めて難しい点が特徴です。SMS 詐欺メッセージの見分け方もあわせてご確認ください。

暗号資産は値動きが大きく、価格上昇が大きく報道された局面では投資への関心も高まります。詐欺グループはこの関心につけこみ、暗号資産のしくみに詳しくない相手を狙って電話をかけてきます。暗号資産は一度に大きな額を動かせるため、老後資金や貯蓄をまとめて失う深刻な被害につながりやすい点にも注意が必要です。

暗号資産詐欺の代表的な手口

暗号資産を利用した電話詐欺にはいくつかの典型的なパターンがあります。手口を知っておくことで、勧誘の段階で詐欺を見抜けます。

偽の投資プラットフォーム型

「独自開発の AI が自動売買で利益を出す」「月利 30% 保証のプラットフォーム」と称し、偽の取引サイトに資金を入金させます。管理画面上では利益が出ているように見せかけますが、実際には資金は詐欺グループの口座に流れています。出金を試みると「手数料」「税金」を要求され、さらに搾取されます。

著名人利用型

「有名投資家が推奨するプロジェクト」「著名人が出資している案件」と信憑性を演出します。SNS 上の偽広告と連動し、電話で詳細を説明する形を組み合わせてきます。著名人の名前を無断で使用しているケースがほとんどです。

段階的誘導型

最初は少額 (数万円) の投資で実際に利益を出させ、信頼を獲得します。「もっと投資すればもっと儲かる」と高額投資を勧め、数百万円を投入させた後に連絡が途絶えるパターンです。最初の利益は詐欺グループが自腹で支払っており、いわゆる「ポンジスキーム」の構造です。

マルチ商法型

「友人を紹介すれば紹介料がもらえる」「組織を拡大すれば不労所得が得られる」と、マルチ商法的な構造で勧誘を拡大します。被害者が加害者にもなってしまう点で、特に悪質な手口です。

暗号資産詐欺を見抜くチェックリスト

暗号資産に関する電話勧誘を受けた場合、以下のチェックリストで詐欺かどうかを判断してください。一つでも該当すれば、詐欺の可能性が極めて高いです。

  • 「元本保証」「必ず儲かる」と断言する: 値動きのある商品に元本保証はあり得ない。正規の業者は法令上こうした言い切りができないため、断定する勧誘は詐欺を強く疑う根拠になる
  • 金融庁に未登録の業者である: 暗号資産交換業者の登録一覧に名前がない相手が国内で暗号資産の売買を業として持ちかけることは資金決済法違反
  • 海外の取引所への送金を指示する: 国内規制の及ばない海外送金を求めるのは危険信号
  • 紹介者への報酬制度がある: マルチ商法的な構造を持つ案件は詐欺の可能性が極めて高い
  • 出金に追加費用を要求する: 利益を引き出す際に「手数料」「税金」「保証金」を求めるのは詐欺の典型
  • SNS やマッチングアプリ経由の勧誘: 投資の話題を持ちかけてくる見知らぬ相手は詐欺師の可能性が高い。SIM スワップで電話番号を乗っ取られるリスクにも注意が必要

法的な観点からの注意点

国内で暗号資産の売買や交換を業として行うには、資金決済法に基づく暗号資産交換業者の登録が必要です。登録を受けずに営む行為は同法違反で、罰則も定められています。そのため、金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」に掲載されていない相手から暗号資産の購入や入金を持ちかけられた場合は、応じないでください。なお、暗号資産の証拠金取引や、暗号資産で出資を募るしくみは、金融商品取引法の規制対象となる場合があります。

また、「元本保証」や「確実に利益が出る」と言い切る勧誘は、金融商品取引業者であれば金融商品取引法が禁じる「断定的判断の提供」に、暗号資産交換業者であれば資金決済法が禁じる誇大広告等に当たり得る説明です。つまり、登録を受けた正規の業者はこうした言い方をしません。言い切る勧誘そのものが、相手が正規の業者ではないことを示す手がかりになります。

被害を防ぐための対策

暗号資産詐欺から身を守るために、以下の対策を実践してください。

  • 電話での投資勧誘には応じない: 正規の暗号資産取引所が電話で投資を勧誘することはない
  • 金融庁の登録一覧を確認する: 勧誘してきた業者が暗号資産交換業者として登録されているか確認する
  • SNS やマッチングアプリでの投資話に注意する: 見知らぬ相手からの投資勧誘は詐欺と考える
  • 少額の利益に惑わされない: 最初に利益を出させるのは信頼を獲得するための手口
  • 家族や友人に相談する: 投資の判断は一人で行わず、信頼できる人の意見を聞く
  • 取引所のアカウントには二段階認証を設定する: 不正ログインを防ぐ基本的なセキュリティ対策

暗号資産詐欺に見られる傾向

暗号資産をめぐる詐欺は、被害の全体像を数字でとらえることが難しい分野です。送金先が海外にあることが多く、被害者が申告をためらう例もあるためです。ここでは、公的機関の注意喚起や公開されている相談事例から読み取れる傾向を整理します。

  • 勧誘の入口: SNS のダイレクトメッセージやマッチングアプリで知り合った相手から、通話やメッセージアプリへ誘導される流れが目立つ
  • 被害が広がる過程: 最初に少額の出金ができた体験が信頼につながり、追加の入金を重ねてしまう
  • 気づくきっかけ: まとまった額を出金しようとした段階で「手数料」「税金」の名目で追加送金を求められ、そこで初めて疑う
  • 相場との連動: 価格上昇が大きく報道された局面では、勧誘の電話や広告が目に付きやすくなる
  • 対象となる層: 高齢者に限らず、投資経験の浅い若い世代も標的になる

警察庁は 2023 年 (令和 5 年) から、SNS をきっかけとする投資詐欺とロマンス詐欺を独立した類型として集計しています。暗号資産をうたう勧誘はこの類型に含まれることが多く、電話だけで完結せず SNS やメッセージアプリと組み合わされる点が共通しています。年齢や投資経験にかかわらず標的になりうると考えて備えてください。

偽の取引プラットフォームの見分け方

詐欺グループが運営する偽の取引プラットフォームには、いくつかの共通する特徴があります。以下のポイントを確認することで、偽サイトを見分けられます。

  • 金融庁の登録がない: 日本国内で暗号資産交換業を営むには資金決済法に基づく金融庁への登録が必須。登録一覧に名前がない相手による営業は同法違反
  • 運営会社の情報が不透明: 会社の所在地、代表者名、連絡先が明記されていない、または虚偽の情報が記載されている
  • 異常に高い利回りを保証する: 「月利 30%」「年利 300%」など、現実離れした利回りを謳う
  • 出金に制限がある: 入金は簡単だが、出金時に「手数料」「税金」「保証金」を要求される
  • 日本語が不自然: 機械翻訳のような不自然な日本語が使われている

暗号資産詐欺に関連する法律

暗号資産に関する詐欺は、複数の法律に抵触する可能性があります。法的な知識を持つことで、不正な勧誘を見抜く力が高まります。

  • 資金決済法: 暗号資産の交換業を営むには金融庁への登録が必要。無登録営業は 3 年以下の拘禁刑または 300 万円以下の罰金。登録業者による誇大広告や、利益が確実であると誤解させる表示も禁止されている
  • 金融商品取引法: 暗号資産の証拠金取引や、暗号資産で出資を募るしくみが規制対象になり得る。金融商品取引業者が「必ず儲かる」と言い切る「断定的判断の提供」は禁止されている
  • 刑法 (詐欺罪): 虚偽の投資案件で金銭を騙し取る行為は詐欺罪に該当し、10 年以下の拘禁刑
  • 出資法: 元本を保証して不特定多数から出資金を受け入れる行為は禁止されている

被害に遭った場合の対応

暗号資産詐欺の被害に遭った場合は、警察への被害届の提出に加え、金融庁の「金融サービス利用者相談室」(0570-016811) にも相談しましょう。送金先のウォレットアドレスや取引履歴、相手との通話記録やメッセージはすべて証拠として保全してください。銀行振込で送金した場合は、振込先の金融機関に連絡して口座凍結を依頼することも重要です。

暗号資産で送金した場合は、ブロックチェーン上の取引記録が残るため、専門の調査会社に依頼すれば資金の流れを追跡できる可能性があります。ただし、海外の取引所を経由している場合は追跡が困難になるケースが多いため、被害に気づいた時点で速やかに行動することが重要です。弁護士への相談も有効であり、法テラス (0570-078374) では経済的に余裕がない場合の無料法律相談を受け付けています。

相談窓口一覧

  • 警察相談専用電話: #9110
  • 金融庁金融サービス利用者相談室: 0570-016811
  • 消費者ホットライン: 188 (いやや)
  • 法テラス: 0570-078374
  • 各金融機関の振り込め詐欺相談窓口

関連する対策として、投資詐欺の電話勧誘電話詐欺の通報ガイド知らない番号への対処法もあわせてご確認ください。

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よくある質問

暗号資産の投資勧誘の電話は合法ですか?

国内で暗号資産の売買や交換を業として行うには資金決済法に基づく登録が必要で、登録のない相手が勧誘して入金させる行為は同法違反です。また、「元本保証」「必ず儲かる」と言い切る勧誘は、登録を受けた正規の業者であれば法令上できない説明です。登録の有無は金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」で確認できます。

暗号資産詐欺で送金したお金は取り戻せますか?

暗号資産の送金は取り消すことができず、送金先が海外の取引所や持ち主の分からないウォレットであることも多いため、被害回復は極めて難しいのが現状です。銀行振込の場合は、振込先の金融機関に連絡して口座凍結を依頼すれば、残高から返還を受けられる可能性があります。いずれの場合も、早期の対応が重要です。

金融庁に登録された暗号資産交換業者かどうか確認する方法は?

金融庁の公式サイトで「暗号資産交換業者登録一覧」が公開されています。勧誘してきた業者の名前がこの一覧に掲載されているか確認してください。掲載されていない相手が国内で暗号資産の売買を業として持ちかけることは資金決済法違反にあたるため、勧誘には応じないでください。

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