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通信の秘密

つうしんのひみつ

通信の秘密とは、通信の内容 (通話の会話内容、メールの本文など) および通信の存在に関する事実 (誰が誰にいつ電話したかなど) を、第三者に知られない権利です。日本国憲法第 21 条第 2 項で「通信の秘密は、これを侵してはならない」と規定され、電気通信事業法第 4 条でも同様の保護が定められています。

通信の秘密が保護する範囲は広く、通話内容だけでなく、発信者番号、着信者番号、通話日時、通話時間、メールの宛先、Web サイトの閲覧履歴なども含まれます。通信事業者はこれらの情報を正当な理由なく第三者に開示することが禁止されています。罰則は電気通信事業法第 179 条にあり、通信の秘密を侵した者は 2 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金、電気通信事業に従事する者が侵した場合は 3 年以下の拘禁刑または 200 万円以下の罰金です。未遂も処罰の対象です。かつては「懲役」と定められていましたが、刑法の改正で拘禁刑に置き換わりました。

通信の秘密には例外があります。裁判所の令状に基づく捜査機関への開示、通信事業者自身のサービス提供に必要な範囲での利用 (課金処理など)、利用者本人の同意がある場合です。盗聴捜査 (通信傍受) は「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」(通信傍受法) に基づくもので、対象になる罪が同法の別表で限定され、裁判官が発する傍受令状が必要です。薬物や銃器の事件に加えて、詐欺・電子計算機使用詐欺・恐喝・窃盗も対象に入っていますが、こちらは数人の共謀によるもので、あらかじめ定められた役割分担に従って動く集団が行った場合に限られます。単独犯の疑いや、迷惑電話を受けたという事実だけで通話を傍受することはできません。

迷惑電話対策との関係では、通信の秘密がスパム電話のフィルタリングを難しくしている側面があります。通信事業者が通話内容を分析して迷惑電話を自動ブロックすることは、通信の秘密に抵触する可能性があるためです。そのため実際に提供されている対策は、通話の内容ではなく発信者番号を手がかりにして、利用者が申し込んだうえで着信を拒否したり相手を表示したりする形が中心です。利用者本人の同意にもとづく仕組みであれば、通信の秘密との衝突を避けられるからです。通話録音の法的ガイドも参考にしてください。

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