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犯罪収益移転防止法

はんざいしゅうえきいてんぼうしほう

犯罪収益移転防止法 (犯収法) は、マネーロンダリング (資金洗浄) やテロ資金供与を防止するための法律です。2007 年に公布され (平成 19 年法律第 22 号)、2008 年に全面施行されました。金融機関などの「特定事業者」に対して、顧客の本人確認 (KYC: Know Your Customer)、取引記録の保存、疑わしい取引の届出を義務づけています。

混同されやすいのが、携帯電話の契約や端末の譲渡そのものを取り締まる規定です。これは犯収法ではなく携帯電話不正利用防止法 (平成 17 年法律第 31 号) に置かれています。2026 年 8 月時点の同法では、事業者の承諾を得ずに業として有償で端末を譲渡した場合は 2 年以下の拘禁刑若しくは 300 万円以下の罰金 (第 20 条)、自分が契約者になっていない端末を他人に譲渡した場合は 50 万円以下の罰金 (第 21 条) と定められています。特殊詐欺グループは「飛ばし携帯」(他人名義の携帯電話) を犯行に使うため、2 つの法律が両輪になっています。携帯電話不正利用防止法が契約時の本人確認 (第 3 条) と端末譲渡の処罰を担い、犯収法は金融機関などの特定事業者に本人確認・取引記録の保存・疑わしい取引の届出を課して、犯罪収益の受け皿となる口座側を絞る役割です。

銀行口座の売買を禁じているのは犯収法です。振り込め詐欺の振込先に使われる口座は、多くの場合、経済的に困窮した人から買い取ったものです。売った側も買った側も処罰の対象で、2026 年 8 月時点の犯収法第 26 条では、預貯金通帳やキャッシュカードを譲り渡した者・譲り受けた者はいずれも 3 年以下の拘禁刑若しくは 500 万円以下の罰金 (併科あり)、業として行った場合は 5 年以下の拘禁刑若しくは 1,000 万円以下の罰金とされています。勧誘や誘引も処罰対象に含まれるため、「使っていない口座を貸すだけ」「レンタル料が入る」といった誘い文句に応じた時点で加害側に立つことになります。

特定事業者の範囲は段階的に広がってきました。2017 年 4 月には暗号資産 (当時の呼称は仮想通貨) の交換業者が、2023 年 6 月には高額の電子的な移転ができる前払式支払手段の発行者が加わり、本人確認義務の及ぶ範囲が拡大しています。振り込め詐欺救済法と合わせて、詐欺被害の防止と被害回復の両面から対策が強化されています。振り込め詐欺の防止策も参考にしてください。

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