ダイヤルインとは、1 つの電話回線に複数の電話番号を割り当て、着信時に番号ごとに異なる内線や部署に直接振り分けるサービスです。NTT の固定電話の付加サービスとして提供されてきた方式で、PBX と組み合わせて企業のオフィスで使われます。
ダイヤルインの仕組みは、交換機が着信番号 (ダイヤルイン番号) を PBX に通知し、PBX がその番号に対応する内線電話機を鳴動させるというものです。たとえば、営業部に 03-XXXX-1001、経理部に 03-XXXX-1002 を割り当てておけば、外部から直接目的の部署に電話できます。代表番号を経由して「営業部をお願いします」と取り次いでもらう手間がなくなるため、発信者の待ち時間が短縮され、受付担当者の負荷も軽減されます。どの番号をどの内線に向けるかの対応表は PBX 側で持つため、部署の統廃合や席の移動があるたびに設定を見直す運用が必要になります。
コスト面では、物理的な回線を増設せずに番号を追加できる点が大きなメリットです。通常、1 回線につき 1 番号ですが、ダイヤルインを利用すれば 1 回線に複数の番号をまとめて割り当てられます。ただし、同時通話数は物理回線数に制限されるため、10 番号を割り当てても回線が 2 本なら同時に通話できるのは 2 件までです。着信が集中する部署には、回線数の見積もりが重要になります。料金は、追加した番号の数だけ月額が回線の基本料金に上乗せされる形が基本です。光回線の IP 電話で同じことをする場合、NTT 東日本のひかり電話では番号を追加する「マイナンバー」が 1 番号あたり月額 110 円 (税込・2026 年 8 月時点)、同時に 2 通話できるようにする「ダブルチャネル」が 1 利用回線あたり月額 440 円 (税込・2026 年 8 月時点) です。部署直通の番号は名刺や Web サイトにも記載でき、問い合わせ導線の明確化にも役立ちます。
ダイヤルインと混同されやすいのが内線番号です。内線番号は社内の PBX が管理する番号で、外部から直接ダイヤルすることはできません。ダイヤルイン番号は NTT の交換機が認識する「外線番号」であり、外部から直接着信できる点が根本的に異なります。クラウド PBX では、物理回線に依存せずダイヤルイン相当の番号の振り分けをインターネット経由で実現でき、拠点をまたいだ番号の統合や社外からの受電にも対応しやすくなります。ビジネス電話番号ガイドで企業の電話環境の構築方法を確認できます。