ハンドオーバー (ハンドオフ) とは、携帯電話の利用者が移動する際に、接続先の基地局を自動的に切り替える技術です。通話中やデータ通信中でも途切れることなく、シームレスに基地局間を移行します。この技術がなければ、セルの境界を越えるたびに通話が切断されてしまいます。
ハンドオーバーには複数の種類があります。ソフトハンドオーバーは、新旧両方の基地局と同時に接続を維持しながら切り替える方式で、3G (CDMA) で採用されていました。ハードハンドオーバーは、旧基地局との接続を切断してから新基地局に接続する方式で、LTE や 5G ではこちらが主流です。切り替え時間は数十ミリ秒と極めて短いため、通話中でも途切れを感じることはほとんどありません。
新幹線のような高速移動環境 (時速 300km 超) では、数秒ごとに基地局が切り替わるため、ハンドオーバーの頻度が非常に高くなります。各キャリアは新幹線沿線に専用の基地局を設置し、進行方向に合わせた指向性アンテナを使うことで、高速移動時の通話品質を確保しています。
異なる通信方式間の切り替え (例: 5G エリアから 4G エリアへの移動) はインターRAT ハンドオーバーと呼ばれ、技術的な難易度が高くなります。5G のカバーエリアがまだ限定的な現状では、この種のハンドオーバーが頻繁に発生するため、各キャリアが品質改善に取り組んでいます。