SIM フリーとは、特定の通信事業者 (キャリア) に縛られず、どのキャリアのSIM カードでも使える端末の状態を指します。「SIM ロックフリー」とも呼ばれます。SIM フリー端末なら、ドコモ・au・ソフトバンクのどの SIM カードでも挿すだけで使え、MVNO (格安 SIM) への乗り換えもすぐにできます。
日本では長らく、キャリアが販売する端末に「SIM ロック」をかけ、自社の SIM カードしか使えないようにする商慣行がありました。キャリア間の乗り換えを抑え、顧客を囲い込む狙いです。総務省は 2010 年 6 月に「SIM ロック解除に関するガイドライン」を策定し、2014 年 12 月の改正で利用者の求めに応じた解除を事業者の義務としました。さらに 2021 年 8 月改正の「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」で SIM ロックそのものが原則禁止となり、2021 年 10 月 1 日以降に発売された端末には、正当な理由がなければ SIM ロックをかけられなくなりました。
そのため、2021 年 10 月以降に発売されたキャリア版の端末は、ほとんどが最初から SIM フリーです。Apple Store で買う iPhone や Google Store で買う Pixel のように、もとよりロックのない端末も以前からありました。それより古い端末は、キャリアの店頭や会員ページで SIM ロック解除の手続きが必要な場合があります。SIM フリーであることの利点は、キャリアを自由に選べること、海外で現地の SIM カードを挿して安く通信できること、中古端末を再利用しやすいことです。
落とし穴は 2 つあります。1 つは対応する周波数帯 (バンド) で、SIM フリーでも端末とキャリアのバンドが合っていなければ通信できず、一部のバンドに非対応なら使える場所が限られます。特に海外製の端末は、日本のキャリアが使うバンドを網羅していないことがあります。もう 1 つは中古端末の「ネットワーク利用制限」で、前の利用者が端末代金を払い終えていない場合、その端末は通信を止められることがあります。各キャリアの確認ページに端末の製造番号 (IMEI) 15 桁を入力すれば、制限の状態を調べられます。MNP で番号を引き継いで乗り換えるときは、この 2 点を先に確かめてください。