プライバシー保護

ストーカーによる電話嫌がらせへの対処法

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ストーカーによる電話嫌がらせの実態

ストーカーによる電話嫌がらせは、繰り返しの着信、無言電話、脅迫的なメッセージ、深夜・早朝を問わない執拗な電話など多岐にわたります。警察庁の統計によると、ストーカー事案の相談件数は年間 2 万件を超えており、そのうち電話やメッセージによる嫌がらせは主要な被害形態の一つです。

ストーカーによる電話嫌がらせは、被害者の精神的健康に深刻な影響を及ぼします。不眠、不安障害、PTSD (心的外傷後ストレス障害) を発症するケースも報告されています。一人で抱え込まず、早期に専門機関に相談することが被害の拡大を防ぐ鍵です。本記事では、証拠の保全方法から警察への相談手順、法的保護の仕組みまで詳しく解説します。

電話嫌がらせの典型的なパターン

繰り返しの着信

1 日に数十回から数百回の着信を繰り返すパターンです。着信拒否を設定しても、別の番号や非通知で電話をかけ続けるケースがあります。深夜や早朝の着信は特に精神的な負担が大きく、睡眠障害の原因となります。

無言電話

電話に出ても何も話さず、沈黙のまま通話を続ける手口です。被害者に恐怖感を与え、精神的に追い詰めることを目的としています。無言電話であっても、ストーカー規制法の規制対象に含まれます。

脅迫的なメッセージ

SMS やメッセージアプリを通じて、脅迫的・威圧的な内容のメッセージを送りつけるパターンです。「どこにいるか知っている」「家族に危害を加える」といった内容は、脅迫罪に該当する可能性があります。

証拠の保全方法

ストーカー被害の対処において、証拠の保全は最も重要なステップです。警察への相談や法的手続きの際に、客観的な証拠があるかどうかで対応が大きく変わります。

着信記録の保存

着信日時、電話番号、通話時間をすべて記録してください。スマートフォンのスクリーンショットを撮影し、日付順に整理して保存します。着信履歴が自動的に削除される設定になっている場合は、定期的にスクリーンショットを撮る習慣をつけましょう。

通話内容の録音

やむを得ず電話に出た場合は、通話録音アプリを活用して内容を記録してください。日本では通話当事者による録音は合法であり、裁判でも証拠として認められます。脅迫的な発言や嫌がらせの内容を録音しておくことで、警察の対応が迅速になります。

メッセージの保存

SMS やメッセージアプリで送られてきた内容は絶対に削除せず、スクリーンショットで保存します。送信日時と送信元番号が確認できる状態で保管してください。メッセージの内容だけでなく、送信者の情報が表示された画面も併せて保存することが重要です。

警察への相談手順

ストーカー被害を受けた場合は、以下の手順で警察に相談してください。

  • 最寄りの警察署に相談する — 生活安全課がストーカー事案を担当しています。事前に電話で相談の予約を取ると、スムーズに対応してもらえます。
  • 警察相談専用電話 (#9110) を利用する — 緊急性がない場合の相談窓口です。匿名での相談も可能で、今後の対応についてアドバイスを受けられます。
  • 緊急時は 110 番に通報する — 身の危険を感じた場合は迷わず 110 番に通報してください。「ストーカーから脅迫電話を受けている」と明確に伝えましょう。
  • 証拠資料を持参する — 着信記録のスクリーンショット、通話録音データ、メッセージの保存画面を印刷またはスマートフォンで提示してください。時系列で整理しておくと、警察の理解が早まります。
  • 被害届を提出する — 相談だけでなく、正式な被害届の提出を検討してください。被害届が受理されると、捜査が開始されます。

ストーカー規制法による保護

規制対象となる行為

ストーカー規制法 (正式名称: ストーカー行為等の規制等に関する法律) では、「つきまとい等」の行為に電話やメッセージによる嫌がらせも明確に含まれています。具体的には、以下の行為が規制対象です。

  • 電話をかけて何も告げない行為 (無言電話)
  • 拒まれたにもかかわらず連続して電話をかける行為
  • 著しく粗野または乱暴な言動をする行為
  • 連続して電子メールや SNS メッセージを送信する行為

警告と禁止命令

警察は被害者の申出に基づき、加害者に対して「警告」を発することができます。警告に従わない場合は、公安委員会が「禁止命令」を出します。禁止命令に違反した場合は、2 年以下の懲役または 200 万円以下の罰金が科されます。ストーカー行為そのものに対しても、1 年以下の懲役または 100 万円以下の罰金が適用されます。

電話番号の変更と追加の対策

着信拒否だけでは対処しきれない場合は、電話番号の変更も有効な選択肢です。通信事業者に事情を説明すれば、番号変更の手続きを案内してもらえます。新しい番号は信頼できる相手にのみ伝え、SNS 等での公開は絶対に避けてください。番号変更後も、旧番号宛の着信を一定期間モニタリングし、ストーカーの動向を把握しておくことが重要です。

相談窓口と支援機関

ストーカー被害に対応する専門の相談窓口を活用してください。一人で抱え込まず、専門家の支援を受けることが被害の拡大防止につながります。

  • 警察相談専用電話 (#9110) — 緊急性がない場合の相談窓口。匿名での相談も可能
  • 配偶者暴力相談支援センター — DV やストーカー被害の相談に対応。全国に約 300 か所設置されている
  • よりそいホットライン (0120-279-338) — 24 時間対応の無料相談窓口。外国語対応も可能
  • 法テラス (0570-078374) — 法的トラブルの相談窓口。弁護士費用の立替制度も利用可能
  • 各都道府県の被害者支援センター — 犯罪被害者への総合的な支援を提供。カウンセリングや裁判所への付き添いなどのサービスがある

デジタルセキュリティの強化

電話嫌がらせへの対処と並行して、デジタルセキュリティ全般を強化することが重要です。ストーカーは電話だけでなく、SNS やメール、位置情報など複数の経路で被害者を追跡する傾向があります。

  • SNS のプライバシー設定を見直す — すべての SNS アカウントを非公開に設定し、電話番号による検索を無効にする。投稿の位置情報も無効にする
  • パスワードを変更する — メール、SNS、クラウドサービスなど、すべてのアカウントのパスワードを変更する。ストーカーがパスワードを知っている可能性がある場合は特に重要
  • 位置情報の共有を停止する — Google マップのタイムライン、iPhone の「探す」機能、SNS の位置情報共有など、位置情報を共有するすべての機能を確認し、不要な共有を停止する
  • 端末のセキュリティスキャン — スパイウェアがインストールされていないか、セキュリティアプリでスキャンする。深刻な場合は端末の初期化を検討する
  • 二要素認証を有効にする — すべての重要なアカウントで二要素認証を有効にし、認証アプリ (Google Authenticator など) を使用する

まとめ — 一人で抱え込まず専門機関に相談を

ストーカーによる電話嫌がらせは、放置すると行為がエスカレートする危険があります。証拠を確実に保全し、早期に警察や専門機関に相談することが被害の拡大を防ぐ最善の方法です。ストーカー規制法は被害者を守るための法律であり、警告や禁止命令といった法的手段を積極的に活用してください。

よくある質問

ストーカーからの電話を着信拒否しても別の番号でかけてきます。どうすればよいですか?

着信拒否だけでは対処が困難な場合は、警察に相談してストーカー規制法に基づく警告や禁止命令の発出を求めてください。並行して電話番号の変更も検討しましょう。

無言電話もストーカー規制法の対象になりますか?

はい、ストーカー規制法第 2 条では「電話をかけて何も告げない行為」を明確に規制対象としています。無言電話の着信記録を証拠として保全し、警察に相談してください。

警察に相談しても対応してもらえない場合はどうすればよいですか?

警察の対応に不満がある場合は、都道府県の公安委員会に苦情を申し立てることができます。また、弁護士に相談して民事上の保護命令を申し立てる方法もあります。配偶者暴力相談支援センターや法テラスも相談先として活用できます。

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