海外発迷惑電話の現状と増加の背景
国際電話番号からの迷惑電話は年々増加しており、総務省への相談件数も右肩上がりの傾向にあります。VoIP 技術の普及により、海外から日本への発信コストが大幅に低下したことが主な要因です。自動発信システムを使えば、1 日に数万件の国際電話を低コストで発信できるため、海外の詐欺グループにとって日本は格好のターゲットとなっています。海外発の迷惑電話をブロックする方法を理解し、被害を未然に防ぎましょう。
海外発迷惑電話の種類と手口
国際ワン切り詐欺
最も多い手口が国際ワン切り詐欺です。見慣れない国番号から 1 回だけ呼び出して切断し、折り返し電話を誘導します。折り返すと、高額な通話料が発生するプレミアムレート番号 (有料情報サービス) に接続されます。1 分あたり数百円〜数千円の通話料が課金され、自動音声で長時間引き留められるケースもあります。特にアフリカや太平洋島嶼国の国番号 (+222 モーリタニア、+675 パプアニューギニア、+260 ザンビアなど) からのワン切りが多く報告されています。
自動音声による詐欺電話
国際電話番号から着信し、自動音声で「あなたの口座が凍結されました」「未払い料金があります」「ビザの問題があります」といった内容を流す手口です。不安を煽って個人情報や金銭を騙し取ることが目的です。英語や中国語の自動音声が多いですが、日本語の自動音声を使用するケースも増えています。
国別の主な手口
- +1 (アメリカ・カナダ) — ロボコールによる自動音声詐欺が主流です。IRS (米国内国歳入庁) や社会保障局を装い、税金の未払いや社会保障番号の問題を告げて金銭を要求します。在米日本人を狙ったケースも報告されています。
- +44 (イギリス) — 投資詐欺や宝くじ当選詐欺が多く、「高額賞金に当選しました」「特別な投資機会があります」と誘導します。手数料や税金の名目で金銭を要求するのが典型的なパターンです。
- +86 (中国) — 在日中国人を狙った大使館詐欺が深刻です。中国大使館や公安局を装い、「犯罪に巻き込まれている」「パスポートに問題がある」と脅して金銭を要求します。中国語の自動音声で発信されるケースが大半です。
- +91 (インド) — テクニカルサポート詐欺が多く、Microsoft や Apple を装って「パソコンがウイルスに感染している」と偽り、リモートアクセスや有料サポート契約を求めます。
- アフリカ諸国 (+222, +232, +252 など) — ワン切りによる高額通話料詐欺が主流です。折り返すとプレミアムレート番号に接続され、高額な通話料が発生します。
- 太平洋島嶼国 (+675, +676, +677 など) — アフリカ諸国と同様のワン切り詐欺が多く報告されています。日本からの国際通話料が高額な地域が狙われる傾向があります。
海外発迷惑電話のブロック方法
スマートフォンでの対策
スマートフォンの設定で国際電話の着信を効果的にブロックできます。OS ごとの設定方法を確認しましょう。
iPhone の場合
- 不明な発信者を消音 — 「設定」→「電話」→「不明な発信者を消音」を有効にすると、連絡先に登録されていない番号からの着信が自動的にサイレントになります。国際電話を含む未知の番号からの着信を一括で抑制できます。
- 個別の着信拒否 — 着信履歴から国際番号をタップし、「この発信者を着信拒否」を選択します。
- 集中モードの活用 — 「連絡先のみ」の着信を許可する設定にすると、登録外の国際番号からの着信をブロックできます。
Android の場合
- Google 電話アプリの迷惑電話フィルター — Google の電話アプリを使用している場合、迷惑電話の自動判定機能が国際電話にも対応しています。「設定」→「迷惑電話」→「迷惑電話のフィルタリング」を有効にしましょう。
- 番号のブロック — 着信履歴から国際番号を長押しし、「番号をブロック」を選択します。
- サイレントモード — 「連絡先のみ」の着信を許可する設定で、未知の国際番号をブロックできます。
キャリアの国際電話着信拒否サービス
- NTT ドコモ — 「国際着信転送サービス」の設定で、国際電話の着信を制限できます。ドコモインフォメーションセンター (151) に連絡して設定を依頼しましょう。
- au — 「国際電話発着信規制」サービスで、国際電話の着信を制限できます。My au または au ショップで設定可能です。
- ソフトバンク — 「国際電話発着信規制」で国際電話の着信をブロックできます。My SoftBank または店頭で設定できます。
迷惑電話フィルターアプリの活用
Whoscall や電話帳ナビなどの迷惑電話フィルターアプリは、国際電話からの迷惑電話にも対応しています。グローバルなデータベースと連携し、既知の詐欺番号をリアルタイムで判定・ブロックします。海外からの着信が多い場合は、これらのアプリの導入を検討しましょう。
折り返し厳禁 — その理由と対策
知らない国際番号には絶対に折り返さないでください。折り返し電話が危険な理由は以下の通りです。
- 高額な通話料の発生 — プレミアムレート番号に接続されると、1 分あたり数百円〜数千円の通話料が課金されます。自動音声で引き留められ、気づかないうちに高額な請求が発生するケースがあります。
- 個人情報の収集 — 折り返すと「有効な番号」として記録され、さらに多くの迷惑電話が届く原因になります。
- 詐欺グループへの接続 — 折り返し先が詐欺グループの窓口であり、巧みな話術で個人情報や金銭を騙し取られるリスクがあります。
海外に知人がいる場合の対策
海外在住の知人や取引先がいる場合は、事前に連絡先をスマートフォンに登録しておきましょう。登録済みの番号からの着信は正常に通知され、登録外の国際番号のみをブロックできます。また、海外の知人には LINE や WhatsApp などのメッセージアプリでの連絡を推奨し、国際電話の利用を最小限に抑えることも有効です。
被害に遭った場合の対応
国際ワン切り詐欺で高額な通話料が発生した場合や、詐欺電話で個人情報を伝えてしまった場合は、以下の手順で対応してください。
- 通信事業者に連絡する — 高額な国際通話料が発生した場合は、通信事業者に連絡して状況を説明しましょう。詐欺被害であることが認められれば、通話料の減額や免除が検討される場合があります。
- 国際電話の発信を制限する — 再発防止のため、通信事業者に国際電話の発信制限を依頼しましょう。
- 警察に相談する — 詐欺被害に遭った場合は、警察相談専用電話 (#9110) に相談してください。
- 消費者ホットライン (188) — 最寄りの消費生活センターに接続され、対応方法のアドバイスを受けられます。
国際電話の料金体系を理解する
国際電話の通話料は、発信先の国や地域によって大きく異なります。アメリカやヨーロッパへの通話は 1 分あたり数十円程度ですが、アフリカや太平洋島嶼国への通話は 1 分あたり数百円に達することがあります。プレミアムレート番号の場合はさらに高額になるため、知らない国際番号への折り返しは絶対に避けてください。通話料の詳細は、各通信事業者の Web サイトで確認できます。